本宮龍神林道ツーリング(2016年4月29日)

参加者:、自分(フォルツァ) 


「ビッグスクーターに乗って紀伊山地を走ってみるというのも良さそうな気がするんですよね〜」

今から10年くらい前の発言だったと思うのですが、当時、近畿道の駅スタンプラリー完全制覇のために、年に数回は駆け巡らなければならなかった紀伊山地。

走るたびに豊かな自然、綺麗な景色、秘境感など、紀伊山地の山深さの虜になっていく半面、その山深さから追い越しの厳しい道の狭い区間も多く、「どうせ遅い車の後ろをついていかなければならないのであれば、淡々と距離を重ねていけるバイクのほうがストレスも少ないんだろうなぁ」などと思うことは少なからずあったのです。

しかし、いざビッグスクーターを購入しても紀伊山地になかなか足が向きません。
一昨年お兄さん達と行った伝説のツーリングでも、相手が超ゆっくりな二人とわかっていたうえでCBRをチョイスしていました。

そう、ビッグスクーターに乗ってあらためて実感する”圧倒的なパワー不足”・・・。
自分、「どうせ遅いなら」などと言いつつ、まだどこかで追い越せる”シーン”が増える可能性に期待してSSに乗ってしまうのです。

そんな感じで、今回も出発前まではフォルツァで行くか6Fで行くかで悩んでいましたが、ゴールデンウィーク初日ということも含め、今回はフォルツァで行くことに決めました。

「まぁとりあえずは行ってみなきゃ。」
さてビッグスクーターで始めての紀伊山地、どう感じになるのでしょうか。


朝10時自宅を出発。
GW初日と言っても、それは世間様の話で、自分は昨日も仕事、明日も仕事なので連休ではありません。
しかし世間はもうGWな雰囲気ムンムンで、バイパス区間が年々長くなってきているR24を2時間もかけて、やっとこさで葛城までたどり着くのです。
なんて言いますか、車全般トロくさい、っていうか信号が青になっても発進するまでのタイムラグが大きくて、シャクトリムシが進むような感じでしか車が流れていないんですけど・・・。

まだ12時だというのにここらで疲労感のようなものを感じてしまいました。


五条からR168へ。
ここからは交通量も少なく、快適に天辻峠目指して走っていたのですが、峠手前で土砂崩れのためR168が通行止め。
たしかに五條から天辻峠通行止めの看板はあったのですが、十津川の大動脈であるR168だからどこか迂回できるんでしょ?と軽く構えていたら、r49で黒滝辺りまで迂回させられるという、迂回距離のダイナミックさに紀伊山地クォリティを感じてしまいます。

で、その迂回路であるr49が狭い。
そんなローカルルートが迂回のせいでメインルートとなってしまうのだから車が列になるのは当たり前な話。
サンデードライバーも多い連休でこれは悲劇です。

後ろからバイクが来ても誰も譲ってくれない。それは今の日本じゃ当たり前。
かといってこちらから勝手に抜くにも、道が狭くて抜きにかかれない。
何度も何度も離合に付き合わされて・・・「もういいわ・・・」と半分ヤケクソで離合待ちに付き合っていました。。。

R309へ抜け、r53で天川へ。
「車はみ〜〜〜んなR309を直進して行者還林道へいっちまえ〜!」などといった心の叫びは虚しく、むしろ天川はキャンプ場天国と呼ばれる地であるため、GWなんて絶好のキャンプシーズンは地獄でしかありませんでした・・・。

あのねぇ・・・
おたくらキャンプするのはいいけど、乗っている車の大きさとか運転技術考えてから、ここいらへ来ませんか?
ワゴンブームの次はSUVブームだって?
身の程(運転技術)をわきまえてからブームにしてくれっての!!

離合できなくて、バイクの自分まで巻き込んでバックとか・・・
もうバイク置いとくから、あんたらがバイクを下げてくれ!!
嫌なら、さっさと前を譲れ!!
あとバイクだけに限らず、離合に問題のない軽とかも先に行かせてやれよ
アホども。

毒吐きまくりますが、運転技術というのは状況判断も含まれるでしょうに。
連なっていたら離合なんて大変になって当たり前な話。

対向からやってくるのも遅い1台が列を作ってるから、車列同士での離合で超困難になるってのは下手くそ通りこして笑い話じゃないですか。
なら速くいってくれそうなものを先に出す。

下手くそに付き合わせて何の得になってるのさ?
むしろ下手な人には前に車がいたほうが離合って楽よ?
はぁやだやだ。他への配慮が技術でも、ましてや己の恥にもなってないだなんて・・・。

同じ車に離合で何度もバックを要求されたときは4回目で「あ”〜〜〜!もうっ!!」思わず叫びましたよ。
その車はそれでようやく気づいたみたいで、譲ってくれたんですがね・・・。


とまぁ、とにかく悲惨だった天川を抜け、やっとこさでR168へ。
天辻峠が通れなかったせいか、今日の天気があまりよくないせいか、R168はガ〜ラガラで楽しく走れます。

ふれあいトンネル手前の土砂崩れ、もう10年近く対岸へ迂回してたのですが、ここが復旧したのにはびっくりしました。
てっきり対岸をR168にするんじゃないの?って思ってたくらい復旧の目処が立っていませんでしたしね。

そうそう今日は風が強いんですよ。
なので予定には入れてなかったのですが谷瀬の吊り橋の様子を見に寄り道しました。まぁ見るだけなんですけどね。
そしたら渡ってる人、真っ直ぐ歩けてなくて面白そうなんです(笑)
バランス感覚悪い人は真っ直ぐ歩けないものですけど、これは絶対強風の影響でしょう。
でもそんなんを見たら逆ギレしてきたお兄さんを思い出すから、自分ここ、少しトラウマだわ。。
(伝説のツーリング参照)

風は道の駅十津川の手前あたりから更に強くなり、バイクが流され怖い思いをしました。
昔の自分、台風が来るとテンション上がってバイクに乗ってたような馬鹿だから、けっこう横風には耐性のあるライダーのつもりでいたのですが、さすがに今日は怖い。そしておまけに寒いときたもんです・・・。

で、道の駅十津川には足湯があるんですよね。
冷えた体に・・・

あぁ・・・ぁ・・・

家族連れが多すぎて足湯が占拠されておりました(涙)


道の駅十津川を出て果無集落へ向います。
熊野古道が世界遺産になったとき、よくTVで放送され、1度は行きたいと思っていた場所。
R425の対岸の道を登って行くと集落へアクセスできます。


グングン山を登って行くと途中に滝があったので寄り道。

その後「えらく山奥に入っていくけど本当に人がいるのか・・・?」って心配になった頃に集落へ到着しました。


このロケーションから天空の郷と呼ばれる。
すっごく綺麗。


熊野古道脇にたくさんの花が植えられていて、どれもしっかり手入れがされてます。


集落に入ってびっくりしたのが狭い尾根なのに田んぼがあること。
これがすごい綺麗。
田植前の田んぼは、風がなければ空を写してもっと綺麗だったのに。

石畳が熊野古道


貯水槽を覗けば、まんまるに太った鯉。
でかすぎてびっくり(笑)

集落は高低差が大きいです。

果無集落はこのロケーションの場所だけがクローズアップされますが、集落全体もまわってみることにしました。

ここも熊野古道。

天空の棚田(だいぶ無理あり)

熊野古道はここから完全に山に入っていき、民家もなくなりました。


果無集落を降りてR168へ向かう道の雰囲気もいいですよ。
谷が深いですし、山腹を這う道がずっと続いてます。


R168へ戻り、次は本宮龍神林道へ向います。
10年以上前から行きたい行きたいと思いつつ、これまで来なかった道。
どうしても道の駅のスタンプを押して回りたくなるので機会がなかったんですよね。


R168を南下して和歌山に入った直後くらいにある一二滝。かなりのスケールです。


今日は風が強すぎて水が飛ばされていました。

(道の駅ほんぐう)
道の駅ほんぐう手前にある橋(旧道R168)を渡ったあと、丁字路を右に曲がった道が本宮龍神林道です。

三越峠関所跡
ここまでなら道も狭くなく快適に走ってこれました。(落石等は多いのですが。)

この三越峠で道は二手に分かれます。
自分の持っている地図が古いため、ここに交差点などは存在しません。(厳密に言えば点線つまり登山道=熊野古道とは交差していた)
一方は綺麗な道でR311方面と書かれ、一方はかなり細く落ち葉だらけで龍神と書かれていたので、かなり躊躇しながらも龍神方面へ進路をとります。
目指す地名は間違いではないのですが、あきらかに車通りのない路面状況でしたので・・・。


でもしばらく走るとだんだんと標高を上げていき、間違いないであろう雰囲気にはなってきます。


若いブナの群生地。植樹・・・?謎な一体なんかもありました。


ぐんぐんと山を登っていくと、遥か遠くまで稜線が広がる風景が見えてきます。
これなんですよ、自分が以前から憧れていた風景

すごいスケール感です。


この辺が一番標高の高いところでした。
よくこんなに高い場所に道を作ったと関心する絶景ルート。


道は基本的にこの辺の林道で比較するなら綺麗な類なのですが、斜面が崩落して落石や枝が転がっていることが多く、気がづけばアンダーカウルから枝が生えていたなんてこともあったり

こんなところもあったり


砂まみれな素掘りトンネル(コンクリートで固められてますが)があったりはするので、誰にでもオススメとは言いづらい部分はあるのですが、普通に走れる人ならなんら問題はない道だと思います。


”普通に走れる”という言葉を使うと、誰しもが自分は普通以上との認識を持っているので厄介なのではありますが・・・、まぁ砂が浮いてようが、落ち葉で覆われていようが、わざわざ避けるほどの道ではないという認識を持てる人なら、普通に走れると思いますので、この絶景は是非見てください。

落ち葉や落石でビビるような人は正直やめておいたほうがいいかもしれません。
こんなところで転んでも携帯の電波は入りませんし、怪我をして自走不能になったとき誰も助けてくれませんよ・・・。
だって本宮〜龍神まで車もバイクも1台もすれ違いませんでしたし、途中に止まっていた車だってたったの2台でしたし。
そのうち1台が車載車だったというのにはかなりの衝撃でしたけど。


R371に降り立ち、龍神スカイラインへ向います。
日が落ちて来る時間なのですが、強風は変わらず、標高を上げていくほどに鬼のような寒さになっていきます・・・。


休憩にスカイタワーへ入ったらバイクなんて1台もいません・・・。
かじかんだ手を「ほー」と息で温めると息が白くなるほど・・・。
あまりにも寒いんで、休憩もそこそこに走りだしたら、ツーリング集団に追いつき、前を譲ってもらったのですが、このツーリング集団はスカイタワーまでの登りでも道を譲ってもらっていたので、本当に申し訳ない気分でございました・・・。

でもね、この集団を見てて思ったんです、やっぱり前を譲れる人って上手いですし、経験豊富です。 絶対に前を譲らないのは、アメリカンバイク、そして行きに地獄を見たサンデードライバー達ですよ、やっぱり・・・。


フォルツァでの龍神スカイラインは初めてだったのですが、案外楽しめてしまうものですね。
やっぱりこの道、大きいバイクで走ってしまうと速度が出過ぎてブレーキングが大変なのと、ブレーキングでギャップを拾ってしまうと心臓が飛び出すくらいビックリするのですが、フォルツァって全然速度出ないのでブレーキングがシビアになりませんし、リズミカルに走る程度でも頑張ってるな〜感があって悪くはないです。

まぁ下りだったというのも関係するとは思いますし、昼だったら動くパイロンになってしまって印象は変わったのかもはしれませんが(汗)

あ、そうそう、これらタイヤの慣らしの話ですよ。
つい先日前後タイヤを新品に交換したものですから、皮をめくっておかなければならいんですよね。


こういう大人な表現するようになったら、自分も終わりだなぁなんて思いつつ(汗)


龍神を降りてからは高野山→R370→フルーツロード→京奈和自動車道 橋本IC→R24といつもの道で帰ってきました。


帰宅は9時半過ぎ、走行距離448キロ。
けっこうな距離を走りましたが、さすがのビッグスクーター、本当に疲れ知らず。
行きや帰りの市街地の部分で体への負担が少ないというのが大きいと思いますね。

肝心なビッグスクーターと紀伊山地とのマッチングですが、今日は追い越すレベルの話ではなかったですし、車の気配すら感じなかった林道を抜ければ、もう交通量がほとんどない龍神スカイラインでしたので、なにもわからず終いですね・・・。

でも最近、すっかり心もオッサンになっているので、1日を通して楽であったなら、それでいいかなぁと思えてきている感はあります(汗)


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