飛ばし屋二人の癒しツーリングin三方06年月日)
参加者 ノボル君(VFR400R)、自分(ZX-6R)
「僕目覚めちゃいました。」
この怪しい言葉が今回のツーリングのきっかけ。
この怪しいセリフの裏には以前のこんな出来事が…
週末の代休として平日に休みを取っていた自分は、平日の空いている周山を走りにでかけていた。
4月も下旬。気温も20度以上にあがり、タイヤのグリップにも心配がなく「今日はカッ飛ぶぞ〜」なんて気分で家をでた。
京北警察を過ぎたころ、見慣れたVFRが対向からやってくる。
OKIカラーなどそうそう見るものではなく、一目でノボル君とわかった。
こっちに気付いたノボル君も止まり、これから帰るという昇君に「これから堀越行こう!!」と無理やり堀越峠までいったのである。
堀越に入って一往復目、ダラーーっと流しているFJRがいた。
そんなFJRおかまいなしに、旧堀越峠入り口のところでUターン(本来のUターン地点は左右の見通し悪く死亡事故もおきているから。)少しいくと本来のUターン地点から出てきたFJRが前にいた。
最初は邪魔が入った気がした。。。
しかし……パスするはずのFJRはどんどん先に行ってしまい、無理にでも着いていこうと必死な自分は本来のラインまでもはずしギクシャクとした走りに。。。
ますますFJRとは距離が離れていくのであった。。
内心軽いパニックである。。。生粋のツアラーであるFJRが何故にこうも速いのかと。。。
しかも箱装備というおまけつきだ。。。
3往復目くらいだっただろうか。もはや自分にはFJRと争う気力などはない。。自分の走りに専念しようと思った頃だった。
戦意喪失してしまった昇君はギャラリーコーナーに引きさがる。
「あんなのと一緒に走るの怖いですよ。」と。
それじゃFJRの動画でも撮ってよ〜〜と昇君にデジカメを渡し再び自分は走るが、FJRと自分じゃレベルが違いすぎ、、、追っかけられるわ、ぶっちぎられるわという結果。。。
だって今の6Fは国内仕様だから……自分でもわかりきっているむなし言い訳だ。。。
しかしこのFJR何もかもがありえない。
コーナーの度にガガーーー(ステップとマフラーとスタンドと膝が擦れる音)と言わせながらありえないバンク角。しかもギャップをひろってガスッ!(マフラーがひっかかる音)てな音を立てながらもすごい速度でコーナーを抜けていく。
寝かしこみなどは非常にスームズなのだが、その動作1つ1つがすごく速く、結果突っ込みが恐ろしく鋭い。
そして立ち上がりでも1200ccのトルクを生かしてドカンと加速していくのだ。
もう驚きを通り越して笑うしかない。。。
再び走りだして2往復目、FJRがギャラリーに入り昇君とおしゃべりを始めたので自分も走るのをやめることにした。
FJRに乗っていたのはおじさんだった。
バイクから降りてしまってはごくごく普通のおじさん。この人があの走りをするなんて想像ができなかった。
何か秘密があると思いバイクを観察する。
マフラー、スタンドがガリガリなのはもちろん、ステップに至ってはペラペラになって、しかも反りあがってきている。。。。
速さにつながるカスタムといえばリアサスが変わっているくらいなのだが、自分は聞いたことがないメーカーなうえに「11万キロ走ってノーマルがヘタったんでね〜安くてこれにしたんです」と。。
タイヤはパイロットパワーをはいてはいるが、「以前まで純正タイヤはいてたんですよ。さすがに不安なのでスポーツタイヤはきました」と。。
パイロットレースなどのドライ用のハイグリップ系とは違い汎用性重視のスポーツタイヤ。。
秘密などない。。このおじさんの腕が全てだ。。。
本人は「最近になって初めていったサーキットでモタードの400ccにすら着いていけなかった。」
「ここの本気組みのリッターSSには自分も負けます。」
「こないだもR1に負けました。しかも女性の」
な〜〜んて笑っていってるが、そりゃ比較の対象がおかしいでしょうに。。
まちがってもFJRはリッターSSと比較するスポーツバイクではありません。。。
ヨーロッパ大陸を快適に横断するためのバイクです。。。
ただ、、、R1には負けたのかな??
心当たりはあるけど数年前くらいなら自分とどっこいどっこいやんと勝手に思っていたりはするのだが。。。乗り換えて速くなったんかな。。
まぁいいや。
しかしこのFJRのおじさん、自分にとってはすごく励みとなる要因が多い。
まずはバイクはやはり腕だということ。
そして11万キロ走っているのにエンジンをOHしたことなどないということ。
さらにほぼノーマルを貫いていること。
こんなうまいおじさんでもバイクにたちゴケの傷があるということ。(違)
すっかりおじさんに魅了された自分と昇くんは長々と話をする。で、日が傾いてくると「最後に流しますか」とFJRのおじさんが言い、嫌がっていたはずの昇君もOKサイン。3人で何度か流し別れたのであった。
それからはもう頭からFJRが離れない。
昇君も同じだったのだろう。「これからは堀越通いますよ〜。」とまで言い出す。
自分も最近、生粋いや変体ツアラーになりつつあるので、たまに峠で腕を磨きたいなんて思えてきた。
そんなとき昇君からメールが入ったのである。
という訳で決まった堀越朝連。ここから今回のツーリングがスタートするのである。
前置きながくなりすぎましたかね。。。
自宅〜高雄
昇君と走りにいくとき、すでにお決まりに近くなっているものがある。
それはお互い徹夜明けってこと。。。
この日も早朝まで昇君とメッセンジャーをしていて、「じゃ〜僕、準備しますんでそろそろ落ちますね〜」というところからスタートするのであった。
「でもまぁ今日は朝連なので昼にでも帰ってきてから寝たらいいよね?」
気分はこんな感じ。
このときは・・・・・・・・・・・・・
そして自分も準備を始めるが、気分は夜の延長だったためにテキパキと準備できずに気がつけば待ち合わせの20分前!!
慌てて家を飛び出すが「ごめん!30分遅れる!」とメールしてから出発するのでった。。
待ち合わせ場所は高雄の駐車場。
財布の中にガソリン代すらないので、お金をおろしてから行きたかったのだが、待たせてはいけないと一目散に高雄の駐車場を目指した。
その結果、遅刻したのは5分ほどで済んだのだが、お金がないのをどうするべか・・・
とりあえずお金がないことは伝え、美山町に向けて出発する。
高雄〜美山ふれあい広場
朝連といっても微妙に遅い時間だったせいか、車に詰まるシーンが多く、深見峠以外はまったりツーリングになってしまった。。
そのせいだろうか、美山牛乳に到着した二人は前日の意気込みなどすっかり消えうせまったりモード。
他にバイクがいないということもあって清々しい朝の清々しい空気の中、まったり雑談をして過ごしてしまった。。

「そろそろ走る?」と切り出したのは2時間後。
自分ら一体なにしにきたんだろうか…。
「とりあえず名田庄まで行くよ〜〜〜〜」
そういって出発するが、なぜにこの時点で堀越ではなく名田庄だったのだろうか。。。
美山ふれあい広場〜道の駅名田庄
そして名田庄へ到着する。
ここで一息入れたら頑張って走りますか!考えではそうであったが、気分ではなかった。
というよりも眠い。。。もうまったりスイッチが入ってしまってボ〜〜としてしまっている。
昇君もなんだかまったりモードで、気付けば名田庄でまったり1時間も過ごしてしまった。

気付けば昼だし…
しかし、今日はなんだか天気が良さそう。
まったりスイッチが入って朝連どころではなくなっている二人だし。。そんな訳でまったり「常神までいかない?」と当初の予定を変更、若狭満喫ツーリングが始まるのであった。
そうそうお金がないのである。
というわけで、一度小浜に寄り小浜で郵便局を探すことにした。
道の駅名田庄〜小浜
さて小浜に到着はしたが市街地をグルグルまわってみてもそれらしき建物がない。
結局、交番で日曜でもあいてそうな郵便局ありますかと訪ねるのであった。
郵便局は近くにあった。
しかも自分が知っている何度も通っているところに。。。。。。
脱力感に襲われながらお金を下ろすが、さらに不幸なことに25,000円おろすのに25千円と入力したために財布がパンパンになる千円の札束が出現してしまった。。。
まぁ、、、また入金しておろすのもめんどくさいわけで、そのまま出発。
近くだからと小浜ロッジの横にある真珠浜へ寄ることにした。
「いいとこですね〜」「綺麗ですね〜〜」と昇君が喜んでくれた。
ここってはじめてだったのかな?

で、ウロウロしながら景色を堪能している昇君、鉄の柵の先に降り口を見つけた。

昇「ここ降りれるんですか!?!?」
自分「釣り人が降りて磯釣りしてるよ」
昇「なんか凄い斜面なんですけど。。。」
自分「降りてみようか。」

で、、先ほどの写真に写っている岩の先端にある木ところまで。
自分「この木登ってみる??」
昇「ここ落ちたら死にますよ。。」
まぁそんなところで記念撮影。
自分●ホなんで高いところが好きっと。
その後、少し寄り道して展望台のある公園へ。
この展望台から見える景色はたいしたものではないのだが、公園から続く自然歩道からの景色は格別なのである。

綺麗でしょ。
小浜〜三方
さて、ここから常神に向けて出発となる。
そろそろガソリンがないけど、途中であるからいいかってな気分で走っていると対向車の加減で入りづらいガソリンスタンドだったり、定休日だったりであれよあれよよ三方五湖まで走りきってしまった。。。
それでも三方五湖から常神半島までの道に1件くらいあるでしょ〜とバイクを走らせる。
が、、、
ないのである。。。
気がつけばこれからトンネルを抜け常神半島というところ。
とりあえずトンネルを抜けてみたが、ここからは完全に半島でガソリンスタンドのある気配すらない。。。
当然、常神半島を往復するだけのガソリンはない。。
仕方なく一度三方五湖に戻りガソリンスタンド探しの旅へでることにした。。
走ってきたルートではもったいないと三方五湖の東側の細い路地を通ってR27を目指す。
気持ち焦ってはいるが景色がいいので、のんびりツーリング気取り。
景色のいいところにバイクをとめて、まったりとして楽しむ。

この画像はやらせ
「船がきた!」
「昇君、湖岸にバイク置いて!!」
「のんびり景色を見てるような雰囲気だして!!」
「はやくっ!船がくる!!」
ツーリング雑誌を意識したような写真も裏を返せば、直前までこんな感じにドタバタっと。
しかし三方五湖の東側の道は雰囲気がいい。
道は車1台通るのがギリギリで、写真の位置にバイクを置いていると車が通れずどかさないといけない場面すらあった。
「こんな道、車で入ってくるな!」
正直田舎の農道よりも狭い道。車で入るとUターンできるかどうかも怪しくなるような道。もちろん離合なんて出来るヶ所がかなり限られている。
しかしバイクは違う。たとえ道が細くとも、たとえ道が行き止まりになろうとも気軽に入っていける。
そこがバイクのいいとこだと改めて実感する。
そして、このような綺麗な景色に出会うことが出来たらそれはもう最高なのである。
さて、ほそ〜〜い東側の道を抜けてR27へ戻る。
国道に出てすぐガソリンスタンドはあったのだが「大型専用です」なんて断られ、「近くにありますから〜」と5キロ先のガソリンスタンドを教えてもらう。
5キロって近いのか…?
無事に給油を終えた自分は一度コンビニに立ち寄り、ここでもまったりと休憩。
コンビニに入る手前、路肩でブレーキしたらフロントロックしてヒヤっとしたり、勢いよくコンビニの駐車場に入ったら歩道との段差でリアが横に跳ねたりと危うい場面が連続しておこったが、まぁ〜〜〜バイク乗ってりゃよくあることさ。
しかし勢いよく歩道にあがったせいでFホイールのリムゆがんだのはショック…リムだけでよかったけどさ…
三方五湖を一周してようやく常神半島へ突入。
2車線、1.5車線を繰り返し、おせじでも走りやすい道とは言えないながらも、楽しいと思わせてくれる道を半島先端めざし走る。
景色の良い海沿いの道は、途中でいくつかの漁港をかすめながら岬へと続く。
アップダウンあり、うねりあり、景色あり、人々の暮らしあり。
本当にこの道は楽しい。
そして全てを包む空気を肌で感じることが何よりも気持ちいい。

バイク2台じゃれあうかのように走って岬の先端へ到着する。
数年前からここでなにやら工事をしていると思っていたら綺麗な公園ができていた。
とは言っても悪く言えば何もないところ。
近くには漁港があって、民宿があって、神社があるだけ。
工事のフェンスがなくなってしまえば寂れた漁港だ。
とても時間がゆっくりと流れている。
聞こえるのは波の音とカモメの鳴き声と時おり通る漁船の音。
空は綺麗だし、海も綺麗。
それらが重なり合うと、自分もそこの空気に溶け込んでいく気分。
その溶け込んでいく気分を言葉で表すと癒しや和みとなるのだろう。
「癒しだね〜」
「癒しですね〜」
二人ともすっかり和んでいる。
ただボーっと海を見たり、地面にすわってあくびをしたり。

↑盗み撮りされたセクシーショット(笑)
さらなる癒しを求め、散歩にでることに。
「ちょっとそこまで歩かない?」と昇君を誘う。
整備されてはいるが、岩がゴロゴロとしている海岸線を景色の良さそうなところまで歩いてみる。
ちょっとそこまでとは言ったが、先があると進みたくなる。
さらに岩を登る階段のようなものまで見え始めたものだから「明日筋肉痛です」なんて泣き言を言いかけている昇君を説得して階段まで歩いてみた。
そして階段を登った先は・・・・・・

素晴らしい雰囲気をかもし出す貸切プライベートビーチ!
前には島、海は綺麗。
波の音と鳥の声と風の音。人工物の音がまったくない。
ここは完全に隔離された空間だった。
またもや二人のまったりモードのスイッチが入ってしまう。

浜辺で寝転がって空を見たり、石を投げてみたり、雑談したり。。。。
あかん……相方が昇君でも妙にドキドキする。。。
それほどの素晴らしい空間が存在していたのである。
「nonさん彼女連れて来るにはすごくいい場所ですよ!」昇君の言葉だが、この場所に連れてくる彼女などいないことが不幸ですら思えてちょっぴりり鬱が入ってしまった。。。。
そういや、階段を登ってすぐに浜に下りてきてしまったが、まだ先に道があり、小さな庵みたいなのが見えていたような…
気になるところは行ってみたい。まったりモードの呪縛にかかってしまった昇君を引き連れ岩の上を目指す。
庵のある場所は常神半島の先端だった。

↑ここが先端。先に見えるのは島で50mくらいは離れている。
で、、やっぱし高いところが好き。しかし枯れ木にもたれるのはかなり危険だな…
高い場所ではしゃぐ自分にずっとドキドキさせているのも申し訳ないと帰ることにする。
バイクのとめてある場所までの帰り道、昇君からこんな言葉を発せられる。
「あの岩まで飛び乗ってくださ〜い。」
(本気で行こうとしている自分に)
「落ちてビショビショになったらシャレにならないんでやめません?」
それでも行く自分。無事にジャンプ成功。
「じゃ、記念写真撮りますね〜〜」
とりあえずおちゃらけてみるっと。。。

↑あのぉ……手前の海面が写ってないと小島ということがわからないのですが。。。
戻ってきたら、今度はバイクの撮影会だったり、おしゃべりだったりと、ひたすらまったりする。
この癒しがたまらんです。

「nonさんこんなの見つけました〜〜〜」
昇君が見つけてきたのは、まだ新しいキーキャップ。
鍵いたずら防止ように鍵穴に差し込む防犯グッズである。
しかし鍵がみつからない。
二人であたりを探すもみつからず、そのまま捨てるには未練がましい自分はシートをあけるキーに先端を少しだけ指してみた。
「げっ・・・・・・」
抜けんし・・・・・・・・・・・・・・・
自分、ニワトリ以下の脳みそらしい。。。。
力づくで抜き取ったが。。。。。。。。
とんだトラップだった。。。。
しかし、これが面白すぎて「次きた人がやってくれるかもしれないから目立つところに置いておこう!!」と目立つところに置いて帰りました。
何をしなくても飽きがこない、癒しの場
でも、日が傾いてきているから、そろそろ帰らなければならない。。
惜しみながらもボチボチと帰ることに。

しかし夕日に包まれた常神半島は綺麗。。。
夕日を見るために走るのをやめてしまった。。。
 
海に沈む夕日をみながらベンチに座ってぼーっとする。
とくに言葉など交わさない。お互いが何もしなくても今の時間を堪能できている証拠である。
そういやさっきから道路土砂崩れ防止のコンクリートが気になる。
我慢できなくなった自分は「あれ、てっぺんまで昇って!」とリクエスト
帰ってきた言葉は「上のほうなんて垂直じゃないですか……無理ですよ。。」
「そっか。。。無理やわな。。」
「・・・・・・・」

っで、、自分登ってるし。
でもこれの1つうえ以上は無理でした。
ここですでに4〜5m。高さが怖いっていうものあったけど、ここから先は懸垂のように昇っていかなければならないので体力のない自分には無理な話!!
さて、子供のようにはしゃいだ常神半島をあとにする。
途中で猿が道に現れたりするハプニングがありながらも小浜へ、帰りは鯖街道をチョイスする。
鯖街道で帰ればすぐに市内。そんな気分でいたが、天気のいい1日だったためか、行楽帰りの車が列をなしている。。。
で、、、、最悪に遅い。。。。。
誰ですか・・・・ペースカーしてるのは。。。
直線で確認してみたろころ、15台くらいはある列だ。。。
ここまで列が長いと間に入るスペースもないので、抜くなら1回の追い越しで全部まとめて抜く必要があるわけ。。。
はい。。。抜きましたさ。。。もうごぼう抜き。。。
「いったい何キロだしてたんですか〜!!」
あとで昇君に聞かれたが、ここでは言いない。。楽勝に言えません。。。はい。。
途中(地名)を越えたあたりからは何時ものように車で混雑する鯖街道。
地の利をいかして、ひたすら裏道を走る。
もうナイトステージ。裏道は細い。昇君に大ウケする。
何がウケたのかはご想像にお任せといったところだが。
そして無事市街地へ戻り、昇君とわかれて帰宅する。
今日はとことん無邪気になれた1日だった。
どんなツーリングであれ、バイクを楽しめる人間とのツーリングは楽しい。
こんなに楽しいオーラを発しながらバイクを走らせる自分って久しぶりかもしれない。
やっぱり自分、バイク乗っていてよかった。そんな1日。
最後に
昇くん、郵便局探し、ガソリンスタンド探しまでつき合わせてごめ〜〜ん。
|