フォルツァMF10 クラッチシュー交換
必要な部品
クラッチシュー
必要な工具
ユニバーサルホルダー(クラッチを固定する工具)
バイスプライヤー(挟んだ状態を固定できるペンチ)
41mmレンチ
17mmレンチ
プラスチックハンマー
先の細いマイナスドライバー
ラジオペンチ
あれば便利
インパクトレンチ
Eリングプライヤー
クラッチコンプレッサー
1)
ユニバーサルホルダーでクラッチを固定し、ナットを外す

※自分はインパクトで外してます。手で取り外すのはかなり苦戦すると思われます。
アパートやマンションにお住まいで、近くに電源のない方はシガーソケットで使えるインパクトを持っていると便利ですよ。(アストロの4000円くらいのやつだったと思います)
自分はマンションに住んでたときに購入しましたが、屋内ガレージになった今でも使っています。
大なり小なり自分でスクーターをいじる方はインパクトは必須です。
2)
クラッチアウターを外して、セカンダリープーリーを握力で広げてベルトを内側に入れ込む。

原付くらいのバネレートであればベルトの上下を握ればセカンダリープーリーが広がりますが、125以上ではまぁ無理なので、プーリーを指で掴んでスプリングを縮める必要があり、握力が試されます(笑)
原付いじりが好きな人はこれで握力が鍛えられます(笑)
3)
セカンダリープーリーごとドライブシャフトから引き抜く。

ドライブシャフトから抜けたらベルトを外す。

外せました。
4)
センターロックナットを外す。

※41mmレンチが必要。
自分はグランドアクシスのとき購入した工具がまた使えたのでラッキーかも。

最初がすごく固いのでナットをプラハンで叩くと楽です。
矢印側は手のひらで抑えてレンチがズレないよう固定してください。
レンチごと地面に叩きつける人も多いですが、自分はハンマーのほうがレンチがズレにくいので、この方法でやっています。

方法は色々ですが、ナットが外れる手前でクラッチを押さえ込み、スプリングを縮めておくこと。
とれた瞬間バネが伸びてナットをナメかねないですし、怪我もしますし、部品も飛んでいきます。
センタースプリングを縮めておく工具なども販売はされています。(クラッチコンプレッサー)
自分は片手と片足で抑えてます。
(サンダルですと怪我をする可能性があるので注意。それ以前に写真のように脚が汚れます 汗)

抑えておけばテンションがかからないので、あとは手でくるくるまわせば取れます。
5)
プレートの取り外し

取れたクラッチをひっくり返し、プレートを固定する3つのEリングを確認。

専用工具(eリングレンチ)がなくともマイナスドライバーやラジオペンチで取り外せますが、取れた瞬間に飛ばして紛失させないことに注意。
飛んでいったら探す時間が作業時間よりも長くなる可能性が高い(汗)
3つとも外れたらプレートを外します。
6)
クラッチスプリングを外す。

昔からあれやこれやいい方法がないか色々試した結果、現在はバイスプライヤーで落ち着いてます。
スプリングをひっかける工具を使うより、こちらのほうがやりやすいのは、引っける部分がフリーになることと、伸ばす方向に自由があるからですね。
無い方はラジオペンチと気合と根性。
そこで汗をかくよりバイスプライヤーは持っていたほうが後々便利ですが。
7)
クラッチシュー(クラッチアーム)を取り外す。

汚れている部品は外したついでに洗ってください。
赤い印をつけたゴムは簡単に外れる部品なので洗浄するときはあらかじめ取り外しておかなければ紛失する可能性が高いです。
ちなみにここの汚れはダストだけではありません。
油がこってりへばりついてますので、パーツクリーナー、いらなくなった歯ブラシ、あと捨ててもいいウェスの準備が必要。

クラッチシュー。
新品が奥、外したものが手前。
使用距離約46000キロ
ここまで使うと発進時にキューーって音が鳴り、稀に発進でガタガタする症状が出てました。
8)
新品のクラッチシュー装着
クラッチシューを3つとも差込み、クラッチスプリングをはめ込む。

バイスプライヤーでひっぱりはめ込みます。

スプリングの先端がちゃんと奥までかかっているか確認してください。

組み付け完了。
9)
プレートをかぶせてeリングをはめ込む。

プレートがちゃんと奥まで入り、リングを入れる溝が3ヶ所ともにちゃんと見えているかを確認して、eリングをはめ込みます。

自分はラジオペンチで入れてますが、失敗をすればどこかに飛んでいきます(汗)
今回は飛ばすことはなかったですが、修理するより飛んだリングを探してる時間のほうが長かったなんてことは多々あります(笑)
不安な方は予備を注文しておくこと。
10)
センタークラッチのスライダー(部品名はわかりません。)の洗浄・グリスアップ

単純に磨耗防止の樹脂かと思ったのですが、外してみると2枚合わさって1つのパーツになっていることが判明。
これはカメレオンファクトリーが出しているセンタースプリングスライドシステムと同じような効果をもたらすパーツだったんですね。
原付にも欲しいパーツだ。
それと同時になぜクラッチホルダーに油汚れがついていたのか理解できました。

このパーツを薄くグリスアップ
※このままでは塗りすぎ。グリスが飛び散って悪影響が出る可能性があります。
ちなみにこのあと、余分を2枚目に塗ってます。

11)
クラッチをセカンダリープーリーに組み付ける。

通す穴は楕円になってますので位置を合わせて上から押さえつけます。
片手、片足で押さえながら、あまった片手でセンターロックナットを手締めしていきます。
12)
センターロックナットを締め込む。

ユニバーサルホルダーをクラッチにセットし、センターナットを締めこみます。
締め付けはハンマーで叩かなくとも、地面に叩きつけなくとも、手トルクで十分に締め付けられます。
締めつけの目安は原付などと同じ、ナットとねじを切ってある部分が水平な高さになるまで締めてください。
13)
セカンダリープーリーをドライブシャフトに戻す。

握力任せにプーリーを開き、ベルトを奥まで入れ込みます。

この写真くらいベルトを奥まで入れると、ドライブシャフトに通すことができます。
握力勝負です!
14)
クラッチアウターを組み付け、ナットを締める。

規定トルクは74N・m(7.5kgf・m)です。
あとはプーリーケース、外装を元に戻して終了。
戻し方が分からない方は、下記の外し方の逆に作業していってください。
●プーリーケースの外し方
●リアカウルの外し方
●センターカウルの外し方
15)
Sマチックを初期化する。
駆動系をいじったときには必ずSマチックを初期化します。
方法を知らない方はこちらをクリック。
まとめ
センタースプリングやクラッチスプリングがすごく硬いのではと想像していたのですが、原付2種とあまりかわらない印象でした。
外装の手間さえなければ、パーツ1つ1つが大きいだけ250のほうが作業しやすいかもしれませんね。
駆動系は自分でできると、かなり維持費を節約することができますし、内部の清掃やグリスアップはバイク屋さんよりも丁寧にできるのでお勧めなんですよ。
ここでは掲載してませんが、外したついでにセカンダリープーリーのベアリング、トルクカムのグリスアップ等をしています。
これらの作業は依頼として伝えていない限りはバイク屋さんはしてくれませんし、依頼をすればさらに工賃を追加されちゃいます。
質問、感想、誤り等があれば、
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