シート張替え
今回初めてシートの表皮張り替えに挑戦したのですが、結論から言いますと作業自体は超がつくほど簡単なものでした。
シートの破れたバイクは他が綺麗でも非常にみすぼらしく、雨上がりなど水分を含んだシートに座ればとても惨めな気分になりますよね。
お手軽にシートカバーをかけてしまうといった方法はあるのですが、シートがしまりにくくなったり、カバーのシワシワ感がイヤだったり、裏のラバーがすぐダメになって水が染みてきたりと納得できる仕上がりにならないことが多いです。
それならば張替え作業は伴いますが、表皮ごと全て張り替えてしまうほうが長い目で見ると良いのではと思ったんですよね。
シート表皮という特性から、純正ではシートごとの交換になりますし、カタログに載っているようなカスタムメーカーさんではラインナップの少なさがネックですが、逆にネットに目を向けると、革を取り扱っているショップさんがネット販売メインで格安にリペア表皮を販売されています。
表皮の素材や色を変えればバイクのイメージは大きく変えることができますし、楽な作業でお金もあまりかからず、カスタムとしての費用対効果が大きなことはとても魅力的です。
準備するもの
シート表皮
タッカー(でかいホッチキス)
ステープル(でかいホッチキスの針)
のり(スプレータイプが便利)
工具
10mmスパナorレンチ
細いマイナスドライバー
ペンチ
カッターナイフ
まずは現状確認…。

破れてる箇所に当て革を張ってますが、まだまだ破れは進行中といった感じ。革自体にも伸縮性はなくなり表面はカチカチです。
とくに赤で囲った場所は表皮の柄が消えるほどに圧迫されています。

もう少しわかりやすいようアップで。
もう手触りはブルーシートに近い感覚です……。
今回用意したシート表皮はヤフーオークションで出品されていたピースクラフトのグランドアクシス用シート表皮3980円。
http://motor.geocities.jp/beatarou625/syuppintoppu.html

上面がディンプル加工で側面が純正と同じような表皮となっています。
パイピングの色指定は青にしました。
ちなみに商品内容はですが
シート表皮、ビニールシート、説明書、補修用ウレタン(3種)、補修用シート表皮がセットで入ってます。
タッカーも500円で別売りされてますので一緒に注文しておきました。
送料に500円かかるので、プラス1000円だせば誰でも張替えができるということですね。

あと…なぜだかラーメンも同梱されてます…。おまけらしいです。
ではさっそく作業にとりかかります。

しるしを付けたナット2本を外しシートを車体から取り外します。

シートを裏返し表皮を止めているステープル(ホッチキスの針みたいなもの)に細いマイナスドライバーの先を突き刺し、ねじってやると片側がシートベースから浮きます。

浮いたところをペンチでつまみ引っこ抜きます。
あまり力はいりませんが、数が多いのでめんどうですよね。
まぁここをクリアすればあとはスムーズに作業は進んでいきますのでめげずに頑張ってください。

ちなみにマグネット皿を使うと抜いたステープルをポイッポイッ皿に投げて、床に落とすことなくまとめて捨てられるので、便利で安全に作業ができますよ。

で…全部抜き取り表皮を外してみると…
まさかウレタンが水没しているとは。。。

とりあえず大量のティッシュで水分を吸収します。。

その後、布団乾燥機で乾かしました…。
今晩中に仕上げなければ明日の通勤に困まるのが通勤マシーンの悲しいところ…。
思わぬトラブルのためにも時間に余裕を持たせて作業しましょうね…。
しかしシートのウレタンの痛みが激しいですね……
シート前部左右にあるウレタンの亀裂は、漫画にでてくる美少女のウエストなみの太である自分の太ももが、そして崖から落ちそうになっているヒロインを崖の上から必死で手を差し伸べる主人公のごとく、信号待ちのたび必死に地面めざす自分の短足が、必要以上に攻撃を加えてしてしまった証…
シート前部中央にある綺麗な丸い穴ぼこは、誰にされたかわからない根性焼きの跡。
押し付けるならまだしも、押し付けたタバコがそのまま残れさてたんですが……
なんか世の中…おかしいでしょ…。

で、せっかく表皮を外したのですからウレタンベースの加工もしてみようなんて欲を出してみます。
大まかな形をマジックでマーキング。
骨盤が収まる場所と太ももで圧迫してしまう部分を削ってやることにしました。
これで足つき性向上とウレタンへの攻撃を脆弱させるのが狙いです。
実は自分も太ももの裏が痛くて困ってましたし。

「ウレタンなんてカッターでそぎ落とせばいいだけでしょ?」
そんな考えは海外旅行のお土産でもらう不思議なパッケージのクッキーやビスケットくらい甘く…
カッターの歯はウレタンの抵抗にあい、めくれたウレタンの塊がボロボロと落ちてくるだけでした…。
しつこいようですが今晩中に仕上げなければ明日の通勤に困りますので…
この状況はどうしたものか……です。。。

包丁、デザインナイフ、カッター、リーマー、紙やすりと色々試し、一番まともに削れた棒やすりで一生懸命削りました。
ウレタンがボロボロと落ちるのは一緒ですが、塊が小さいので平らにはなりやすかったです。
えぇ、これでも平らなんです。。ちなみに2時間ほどかけて…。
な・の・でシートの加工はあまりお勧めしません!非常に根気のいる作業でした!

一応これで良しとします。
なんだか明日の通勤には間に合いそうで嬉しいです。
これでやっと張替え作業に戻ることができますね…。
次にやることはウレタンにかぶせるビニールを固定するためのスプレー糊の噴射。
スプレー糊が1000円ほどと思ったより高かったので正直スティック糊で十分だと思いましたよ。

そしてビニールをかぶせるのですが、なるべくシワができないよう前後左右に引っ張ってください。
シートに凹凸があるのでシワをなくすことはできませんが、画像くらいのシワなら全然問題ありませんでした。

いよいよ表皮を貼り付けます。
まずは後ろから
シートを表向けてパイピングの位置を確認。ウレタンの角にパイピングが合う位置を探して表皮がずれないよう押さえながらシートを裏返します。
この表皮はセンターに切れ目がいれてある親切設計。
このセンターをシートのロックのセンターにあわせれば中心がズレません。
位置が決まればタッカーでバツッとステープルを打ち込みます。

次に前を止めます。
これも車体と固定するボルトとボルトの中心点がセンターになりますので中心を合わせやすいです。
パイピングの位置がシートの形に沿っているかを確認し、シワにならないよう少しひっぱり気味で固定します。
次は左右にあるパイピングをあわせて固定。
ここ目印になるものがないので真上から確認して少しひっぱりながら固定。
間違って打っても抜けばやり直せるので、1回で仕上げようとせず、位置がズレてないかあらゆる方向から見て仮打ちをしながら微調整していけばいいと思います。

前後左右4箇所を止めたらこんな感じ。
パイピングがなければ少々のズレも気にならないのですが、パイピングがある表皮を選びましたのでこの時点での位置合わせが要です。
納得がいかなければ修正。
納得がいけば次へ進みます。

全体のシワを伸ばすようにステープルを打ち込んでいきます。
ここではビニールがはみ出しているのですがあまり気にしなくていいです。

打ち終えたら余った表皮、はみ出したビニールをカッターで切ります。

これで完成。
どうです?簡単そうでしょ。?
位置合わせがめんどくさそうに思いますが、革は伸びるのでそれほど難しい作業でなく微調整もしやすいんです。


装着後はこんな感じです。
ウレタンの加工が思ったよりも難しく、削りだしてから「いらんことしてしまった〜」と後悔しましたが太ももがあたる部分を削った効果はすごく大きかったです。
あんこ抜きの部分に関しては、もう少し後ろのほうまで削ったほうが良かったかな?という印象。
骨盤を立てて乗るバイクに対してスクーターは骨盤が寝る乗車姿勢ですので、フラットに削るよりはお尻の沈み部分を作ってあげたほうがさらに快適にはできたかもしれません。
まぁ・・・これは・・・
自分のお尻が自分が思っているよりも大きかったというオチで…
ps

ディンプル加工のシートは雨の日くぼみに水がたまりなんともグロテスク〜…
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