陽気に誘われ信楽〜和束ツーリング(03年2月4日)

参加者: 自分だけ(で正解だった)


ここ数日の寒さが嘘のように今日は暖かい。気温も軽く10℃を越え立春を感じさせる。

「こんな日に走らないのはもったいないな〜。」
と、夕方の5時にもかかわらず前々からチェックをしていたポイント目指して走りだした。

日も少し延びてきたようで5時には綺麗な夕焼けだった。


自宅から宇治川ラインへ向かい、そこからR422で信楽へ。信楽からは府道5号線で和束町を目指す。
府道5号線ははじめて走る道なのだが、ツーリングマップルには「ひなびたローカルワインディング」と書いてあり、前々から走ってみたいと思っていたルートだったのだ。

たしかに道の割には交通量が少なく、ところどころにある狭い場所での対向車さえ気をつければ快走ワインディングルートだが、コーナーのバリエーションやアップダウンがイマイチで、周山街道などのワインディングと比べてしまうと少しメリハリには欠けるルートというのが個人的な印象かもしれない。

突然、目の前に車の渋滞ができる。
すり抜けで前に行くと、車が側溝には落ちており、5〜6人の大人が必死で押していた。

見過ごす訳にもいかないので、おばさんに変わって自分も戦力に加わると、車はあっけなく上がってしまい自分でも驚いたのだった。
いや車自体を押してみたのは初めてだったのだが、持ち上げようとすれば案外持ちがあるし、押してみようとすれば案外押せる重さなのだと意外な事実を知ってしまった。

そして、立ちごけキングな自分は引き起こしで普段から鍛えられすぎていたのかもしれない・・・。


府道5号線と府道62号線の交差点を右に入り、62号線を進む。この道はR163から宇治へのショートカットコースなのだが、道が狭く、勾配もきつく、ヘアピンばかりで構成されているため大型車両は入ってこない。
いや、、一般車もあまり好まない道である。

その府道62号線の犬打峠の頂上で宇治へ向かわずに鷲峰山を目指す。

マップルによると「夕暮れどきが素晴らしい尾根の1.5車線」とあるが、時刻は6時をとうに過ぎており、辺りは明かり一つない真っ暗闇だった。

しかし躊躇なくその道をいく自分


車通りがほとんどないのだろうか、道には杉の枯れ葉がたくさん落ちている。場所により道路が見えないほどまでに。
路肩の土砂は崩れ、道の真ん中に石は落ちてるわ、でっかい木の枝をいくつも踏み越えていかないといけないわと、普通なら悲惨と思える酷い道。

しかし飛ばすにはもったいない、景色だけで十分満足できそうなルート。
あちらこちらで見える夜景や茶畑に「明るいときにまた来たいな〜」と思わせるルートであった。
(後日の写真。個人的にこの道のハイライト)

これこそ知られざる名道!「人があまり知らない道=自分だけの秘密の道、そして自分だけの空間」そんな感覚に襲われ気分はワクワクしてくる。

バイクのエンジンを切ると月明かりだけの闇の世界。
バイクを停めて星を眺めながら一服。
心底寒いのだが空気の澄んでる冬の星空ほど綺麗なものはなく、数分間暗闇の中を立ちすくんでいる自分がいた。

「暑いだの寒いだの、雨だの霧だの関係ない。そこ(目的地)に自分の求めている”もの”(楽しい道であったり、風景であったり、美味しい料理なんでもいい)があるかないか。」
「そして家に帰ってきたときにかけがえのない思い出になっているかどうか。」これが自分の目指すバイク乗りの姿。
この道を知ったことは間違いなく自分への財産。
そんなこと思わす道に久々にであったな〜と嬉しい気持ちで再びバイクに乗り、自分一人しかいないであろう山道を走る。


しばらくすると道脇に灰色のものが見え出す。

最初は”また”砂利だろうと気にもしなかったのだが、これが雪だと気づくにはそう時間がかからなかった。(暗すぎて灰色に見えた)

「やっばぁ〜・・・こんなことでコケたらシャレにならない。。バイク屋にきてもらうにも道を説明できないぞ。。」なんて考えながらこわごわ走っていくと・・・

写真ではわかり難いかもしれないが、道路全面が雪と氷で覆われた箇所が出てくる・・・(黒いところも氷)

しかもタイヤ痕をよくみると、ブレーキをかけたがハンドルがきかず、道路わきの電柱にぶつかっていったようなタイヤ痕すらある・・・
おそろしや〜おそろしや〜・・・

(現場検証:このタイヤ跡だけ雪を深くえぐっているので、ブレーキを強くかけたせいでタイヤをロック、ハンドルがきかず直進する。側溝を乗り越えたのち、サイドを電柱に軽くヒットした反動か、土手に乗りあげたかで車の向きがかわり道路に復帰したと思われる。)


バイクから降りて柔らかい雪が残る場所を選び、恐る恐るバイクを押しながら進む・・・
押して歩くといっても下り勾配。足元がすべったら一瞬で転倒だ・・・。

R307へ抜けるまでに、この様な状態の場所が4箇所もあり、さすがに今日にこの道に来てしまったことを後悔していた・・・

「ネタでこの時期にこの道を選んだわけではないんだけどな〜・・・はぁ・・・」

「ま、いいや、今日みたいなちょっとしたお出かけも、すくなくともレポートのネタにはなったんだし。」
そう思えるようになったのは、道から雪が消えた、ほぼR307手前あたりだった。。。



一応説明を。今回は府道62と南からアクセスでしたが、R307から入るにはこの写真の看板を目印に曲がります。
京都からのアクセスでしたら裏白峠の手前になります。(京都からのアクセスであれば右折です。滋賀県側からの標識を撮影してます。)
その道をすすんでいくと


左のような分かれ道がありますので、右に入っていきます。これが今回のルート。(暗くてすみません・・・)


R307に合流したところにある電光掲示板には”−2℃ 凍結注意”の文字が光る。
「注意どころで済むかい!」
これまで乗り越えてきた困難に比べ、ここから先はおそらもう大丈夫だという安心感もあり、半笑い状態でR307を自宅に向けて走っていく。

思惑通りR307には雪も凍結もなく、氷点下とはいえスムーズに走ることができ、宇治田原、宇治川ライン→R24と走り家に帰ったのであった。

家に帰ってコタツに入ると全身がかゆい。むっちゃくちゃかゆい。
そう・・・暖かいからと下はジーンズ1枚、上はインナーを外した3シーズンジャケットといった格好で氷点下の中、3時間ほど?(帰宅は9時)走っていたのである。
血の気の戻った全身の皮膚はみるみる真っ赤に、、、、。
その時点でようやく自分の皮膚が氷のように冷たくなっていたことに気づく。

そのまま自分はコタツムリ(コタツにもぐって頭だけだした状態)となり、全身のかゆさと小一時間格闘して、今回のツーリングは幕切れとなったのである。(笑)

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