暗峠チャレンジ (2017年9月1日)

参加者:自分(マグナ50)


先日の犬打峠では、まさかの1速ホールドを強いられてしまったマグナ50。

カブにも劣る3.9馬力はあまりの非力さゆえ、逆の意味での性能の限界とやらを試したくなるダメバイクっぷりを遺憾なく発揮してしまいます。

日常の足としての性能や使い勝手の話ではなく、むしろ原動機として何が出来るのか、何が出来ないのか、そのレベルから把握しておかなければならない、愛すべきダメな子、マグナ50。

そのため今回訪れた場所は、原付ライダーなら誰もが目指す聖地?、酷道308号線、暗峠なのでした。


京都からのアクセスなので、まずは奈良の生駒側からが登りはじめます。

ローギアでずっと登っていくのは、あきらかにエンジンに悪そうではありますが、ローで全開にしてしまっては吹け切ってしまうため、アクセルを緩めながらの余裕の登坂。

特にこれと言って何事もなく、すんなり?(1速固定だけど)峠まで登れてしまうのでした。

まぁここまでは犬打峠をのぼった感触で、なんとなく想像はついてたんですよね。
生駒側からなら何の問題もないと。


しかし暗峠のメインはあくまでも大阪側。
そちらからの登りにチャレンジすべく、急勾配を下っていきます。


さて、スタートラインには立ちましたが、大阪側の坂を下りつつ、後悔の念に襲われていました・・・。

滑り止め加工の施されたコンクリート舗装を下っていると、あきらにサスペンションのキャパを越えた振動が全身を襲っていたんですよね。

以前アドレスV125で同じことをしましたが、コンパクト設計とは言え、やはりV125は125ccなりの足回りであったようで、マグナ50で大阪側の坂を下ると、ブレーキでほぼフルボトム状態になったフロントフォークがギャップを吸収しきれず、路面の凹凸をガンガンと広い、突き上げてくるのです。

この感覚・・

思い出してしまいましたね・・・

オイルダンパーすら装着されていないレッツやDioで、あちらこちらの山を散策していたい若いときのことを・・・。
あれらと同じ挙動ですよ、これ。。

そして、そのころ、よくあったんです・・・

急勾配が登れなくて、エンジンかけたまま押して、助走つけて飛び乗るといったようなことが・・・。
原付スクーターなんて、そんな乗り物だったんです・・・。

例えば、対向車が来るなり、ギャップで跳ねてアクセル戻したりで、坂の途中で止まってしまった場合、そこから発進しようとしても、クラッチは繋がらないわ、低速にはパワーがないわで、乗ったままでは発進することができず、そんなことを強いられていたのです。

ながらく原付に乗っていなかったので忘れていましたけど、マグナもたぶんこのパターン。
しかも悲しいことに、暗峠の交通量はそこそこに多かったりするのです。。。

「4st50は案外低速は強いよ」なんて話、聞いたことはありますが、そこは例外なマグナですしねぇ・・・。

やな予感しかしませんよ。

あぁ、もっと涼しい時期になってから来たらよかったかなぁ〜〜〜・・・

もう思考が押すこと前提になってしまいます・・・。


勢いよくスタートを切ったマグナ50
もういらないことは一切しないと、ローギアでアクセル全開固定、吹けきったままで坂をズンズンと登っていきます。 エンジンには悪いですが、ここは心を鬼にして、絶対にアクセルは戻しません。

20キロくらいで坂を登るマグナ。

途中15キロほどに速度が落ち、エンジンがストールしかけるシーンなどもありましたが、半クラッチなどでどうにか立ちなおし、「いけるいける!」と思った矢先、コークスクリュー手前の坂で失速。。。

エンストを免れようと、半クラッチで無理に回転を上げても、坂がきつすぎて激しく減速。
失速を免れようとクラッチを繋ぐと回転が維持できない・・・。

抵抗空しく、失速からのエンスト・・・。

「やっぱり無理か〜」などと思う余裕すらなく、自分を乗せたマグナはそのまま斜面を滑り落ちていきます。

ギアがローに入っているのでタイヤが動くはずはないのですが、タイヤがロックしたままズザザザっとすごい勢いで斜面をずり落ちていきます。

とっさにフロント、リア両方のブレーキをかけても同じこと、タイヤがロックしたまま滑っているのだから何の意味も成しません・・・。

状況をわかりやすい言葉で表現するなら滑落です。滑落。
自分、山の斜面を落ちていくかの如く、コンクリート舗装されて路面を滑り落ちていきます。
「まじで〜!?!?」
などと声をあげてしまったものだから、ハイカーに振り向かれながらも滑落していく自分・・・

止まる術がありません。。

いやぁ・・・かなりあせりましたねぇ・・・。

幸いオンロードバイクでダートも気にせず走っていた経験が生かせたというか・・・
ダートですと坂からズリ落ちていくなんてこと、しょっちゅうですから、滑り落ちながらもハンドルを切って、坂に対してバイクを垂直方法に向かせて、止めることができたんです。

しかし・・・再スタートはできるのか!?ってことですよね・・・。

まぁスクーターと違って、クラッチ操作は自分でできるのが幸いでしてね、半クラッチと足漕ぎで再スタートし、そのまま足漕ぎを続けてコークスクリューまで辿りつきましたよ。

あぁしんど。

コークスクリュー

この写真を撮ったときも、乗ったまま坂の途中で停車したら、またさっきと同じで滑落してしまい・・・

一度下の橋まで戻って、助走をつけて上の橋まで登り、Uターンして戻ってきたら、前が下の状態では後輪への荷重が足らずに勝手にズリ落ちてしまい、停車するのは不可能でして・・・

バイクを反転させ、後輪を坂の下側にすることで、ようやく停車させることができたんですよ・・・


ちなみに、このコークスクリューと飛ばれている場所が、暗峠で一番傾斜のきついところになるのですが、前後が橋になっていて、橋の部分は平坦ですから助走もつけられますし、失速するまでに次の橋まで行ければまた平坦ですから、問題なくクリアできたのです。


その後は順調に坂を上っていき

再び峠へと戻ってきました。

いやぁ、頑張りましたよ、マグナ50。

そして自分も

しかしダメでしたか、マグナ50での暗峠は・・・

でも正直、暗峠へ持ってくるには状態が悪かったのかもしれません。
中古で購入しているためスプロケットが変わっており、マフラーだって社外なので低速が落ちていると思うのです。
それとダイエットも・・・

マグナ50が暗峠を登るかどうかは、ノーマルのセッティングに戻してみないとわかりませんね・・・。


帰りは生駒からの眺望を眺めつつ、達成感に満たされながら帰ります。

愛すべきダメな子は、やはり愛すべきダメな子っぷりを遺憾なく発揮してくれちゃいました。

でも自分はちゃんと体をもって受けとめましたよ(笑)


マグナオーサーの皆さん、マグナはダメな子ですが、残念な子にはしないでね。
残念な子というのは、いわゆる不良っぽいバイクというやつです。


質問、感想、誤り等があれば、 掲示板へお気軽にお書きください。

back
top