マフラー補修
注意!!
作業工程などに違いはありませんが、エンジンがスーパーDioに換装されたAF18で解説しています。
AF18とは形状が違う点などがあります。(エンジンカバー等)ご了承ください。
ではマフラーを焼く前に…
マフラーの取り外から。
この工程までにメットインの取り外しが必要となりますので、わからない方はまずはそちらを確認ください。

それではこのような状態から解説します。
まずはマフラー付け根にありますナット2本を緩めるのですが、ここは完全に外してしまわなくてもOKです。

赤い矢印の2ヶ所ですね。

これはすでに取り外された画像になりますが、これだけ緩めておけば問題なし。取り外してしまうほうが紛失の原因にもなってしまうんですよね。
次にサイレンサーの付け根のボルト2本を外します。
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最初に上下どちらでもいいので完全に1本抜いてしまうのですが、次のボルトはマフラーを手で持ち上げながら外します。そうしないといつまでたっても手で緩められないこともありますが、ボルトが変形してしまう恐れもあるのです。
エキパイの先端にはこのようなガスケットが入っています。

単純に入っているだけですので、雑にマフラーを取り外してしまうと溝から抜け落ちて転がっていきます。
原則として再利用しないパーツではあるのですが、排気漏れがない限りは再利用することが多いので、紛失させないためにもマフラーはゆっくりと降ろし、手の入る隙間ができたらその場で抜き取っておいてください。
マフラーを焼く
注意!!!
鉄を熱するので高温でかなり危険な作業となります。
マフラーの詰まりに対してマフラーを焼くことを推奨するわけでもありません。
マフラーを焼いても詰まるほどまで溜まってしまったカーボンに対しての効果は薄いのが事実です。
フライパンのこげを取りのぞく作業を思い起こしてもらえればわかりやすいとは思いますが、焼けたカーボンも物理的な力がかかわらないと綺麗には剥がれてきません。
マフラー購入を検討するまえの最終的な悪あがき程度と捕らえておいてください。
この作業はマフラーの消音効果及び、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。
マフラーを焼くときには防塵マスク、防塵メガネ等の着用及び、肌を露出させない着衣で作業することをお願いします。
以上を踏まえていただいた上で解説します。
まずマフラーについてるヒートガードを取り外します。
上記マフラー取り外しにてガスケット(ドーナツ型の金属)は既に取り除かれているとは思いますが、もう一度ガスケットが着いていないか確認します。
次にセンタースタンド止めを外します。

この方向からふちをドライバーなどで押し込めてやれば外れます。
そしてコンロにかけます。
(注 グランドアクシスのマフラー)
シュールな写真です。。
そのまんまです。。
最近のガスコンロは消し忘れ防止機能があるとか??
よくわかりませんが、もし途中で火が止まるようであれば屋外でカセットコンロなどを使用するといいかもしれません。
未燃焼オイルが溜まっているため、熱せられたマフラーから白い煙がモクモクと上がってくるのが確認できると思います。
あまりにもカーボンが溜まりすぎている場合、この白い煙に火が引火して炎があがることもありますので、濡れたバスタオル2枚ほど用意しておいたほうがいいかもしれませんね。
これまで何度か焼いてきましたが、ファイヤーーー!してしまうことはなく、チョロチョロっと火がでたくらいしかありません。
ですが、念の為です。備えあればなんとやらです。
それと、この白い煙は人体にとって有害です。屋内で作業される場合十分な換気とマスク着用をお願いします。
白い煙が少なくなりましたら火をとめ、そのまま放置しマフラーを冷まします。
そしてプラスチックハンマーで軽くコンコン、全体をまんべんなく叩きます。
好きなだけ叩いてください。自分の気が済むまでです。
不用になったブレーキワイヤーやアクセルワイヤーをお持ちの方は、ワイヤーをエキパイ側、サイレンサー側からワイヤーをつっこんでガシガシやってください。
すぐに壁に当たるので、ノーマルマフラーでは気休めにしかならないことがわかりますけど。。。
これで作業は完了です。
あまり堂々と紹介できない危険な自己流・・・・
自分はチンチンに焼けたマフラーをエキパイやサイレンサーには絶対に触れないよう注意を払いながら、水に浸したタオルでステーやスタンド止めを掴んでマフラーを固定、熱しながら金槌で軽くコンコンしています。
そして1時間ほど熱したマフラーに水をかけ一気に冷やします!
フライパンやお鍋にこびりついた焦げを落すのと同じ要領です。
カーボンは一気に冷やすと剥がれるのです。
で、、、その冷やし方なのですが……
大きな金のたらいなどがあるといいんですけどね……
当然ないですし、置き場所もありません。。
台所のシンクも大きければいいのですが、ワンルームマンションでそんな恵まれた環境は稀でしょうし、シンクの広さを部屋選びのポイントにもしたことがありません。。
で、どこでどうやって冷やすかって……
お風呂場です……
ええ熱したマフラーを持ち運ぶといった行為自体がかなり危険ですから、真似はして欲しくないんです。。。
湯船にあらかじめある程度の水を張り、蛇口から水を出しておいてスタンバイ。
水で塗らしたタオルでアツアツのマフラーを掴んでお風呂場へ。
もうこれで転倒でもしたら大惨事……
そして、あらかじめ出しっぱなしにしておいた蛇口からの水をエキパイの内部めがけてかけます。
ジューーーーーーーーーーっとすごい湯気にひるまずかけ続け、ある程度さめたら外側にもまんべんなく水をかけ、完全に冷えたところで湯船へドボン。
そして、シャワーのヘッドを外しホースから水をだし、サイレンサー側、エキパイ側の両方からから水をぶちこみます。もちろん水道最大まで全開。

すると、こんな感じにカーボンがでてきます。

グランドアクシスのマフラーなのですが、詰まっていたグラスウール(消音剤)が出てくるなんてことも……
そんな事例もあるということで……
えぇ…グラスウールを囲ってるパンチングの部分が腐食してやぶれていたんでしょうね…
実はGアク、これが原因でふん詰まりになり、これで見事に解消されました。
「昨日まで普通に走ってたのに…」ってな方はこんな原因なこともあります。

わかりにくいで申し訳ないですが、黒い点々のすべてがカーボンです。
もっと溜まっていれば、もっと気持ちよく大量にでてきますよ。
で、ここからが問題ですね。
水でタプタプになったマフラーをどうするか。
とりあえず上腕二頭筋の限界までシェイクします。
マフラーに水を入れてシェイクという行為………
ストレート管を爆音仕様にするため、悪ガキがよくやってますが…
同じです。。。。グラスウールは水に弱いので、グラスウールを痛めてしまう行為だということはご理解、ご納得ください。
まぁもともと膨張室が3つもあるノーマルマフラーです。グラスウールがへたってしまったくらいで排気音が一気大きくなってしまうということはありません。
そもそもベトベトオイルに浸されてしまった時点でグラスウールは消耗してしまいますからね。
で、これだけでは水は抜けません。いつまでたってもちゃぷちゃぷしてます。
そこで、数日間陰干し…なんて意味がありません。風が通らないと乾きませんから。。
そこで、もう一度マフラーを熱します。
そのことで中の水分を蒸発させるのです。
ただし……
このときでる湯気は粉塵になったグラスウールを含んでます!
細かいガラス繊維が空気中に舞うので有害でない訳がないです。
アスベストで有名な…石綿問題が頭をよぎりますね……
ガラス繊維は触ると脆く砕けるので、普通は袋に入れた状態で使用される。砕けたガラス繊維は微細で鋭利な繊維となり、吸ったり接触すると口の中に砂が入ったようになる、目が痛くなる、手が痒くなる、という症状が出やすい。そのためゴーグルおよびマスクの使用が勧められる。
吸引時の安全性であるが、ガラス繊維は非結晶性であるために肺がんなどの原因になることは証明されておらず、石綿と比較すると危険性は相対的に低いとされる。しかし煤塵を吸引することは呼吸器の傷害につながる可能性があり、健康上好ましくないため、吸入はできるだけ避けた方がよいと考えられる。
Wikipediaより抜粋
良い子のみんなも、わるい子のみんなも真似しちゃいけないぞ!
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マフラーを取り付ける
エキパイの先端にガスケットがちゃんと入っていることを確認してから、エキマニから2本でてきているスタッドボルトにマフラー先端両端にある引っかき穴に
通します。

ナットは仮止め。手で締めるほどに留めておきます。
エキパイが外れないように手で押さえつつマフラー付け根のボルトを2本いれます。

こちらも仮止め。手で閉まるよりちょっと多め程度でOK

もう一度こちらに戻って、本締めなのですがバイクの進行方向を前に左斜め上方向にエキパイ先端を下から押しながら固定します。
そうしないと排気口がぴったし合わないので注意なんです。
そしてもう一つ大事なこと、左右交互に少しずつ締めること。これをしなければ水平にぴったりと合わないんです。
締め付けトルクは1.0〜1.4kg-m。きつすぎない程度と思っておけばOKでしょう。
スタッドボルトはけっこう簡単に折れるくせに、折れてしまえば取るのが非常にめんどくさいですよ。(経験者談)

最後にこちらの2本のボルトを本締めすれば終了です。
どうですか…?吹け上がり感は戻りましたか?
変わらないのであれば……原因は他にありますね。。。。
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