三拍子ツーリング(2010年12月5日)

参加者:シェイブドヘッドさん、(CBR1000RR)、紅の弾丸さん(CBR1000RR)、K君(CB400SF)、自分(CBR600F4i)


前回地獄の岡山ツーリングを終え、目的地までバイクで行くという行為が、お兄さんの中でのツーリングとして固まりつつあることに危機感を覚えたのは正直なところ…。

「ソロツーリングとマスツーリングは使い分けなのかもしれないけど・・・」
そんなことを考えながらも1日を一緒に走ってみましたが、その危機感はやはりを拭い切れませんでした。

お兄さんはTVで見た「○○(地名や観光地)まで走ってきた」という満足感で満たされている様子ではあるのですが、自分はそこにバイクで走るという理由が見いだせないのです。

「走っていて楽しくない。。。」
「でも、楽しさって人それぞれ・・・?」
「だから2号線を選んでも、お兄さんは混雑する幹線道路を楽しく走っている?」
「それともワインディングを走るくらいなら、混雑する幹線道路のほうがマシという考え?」
「世の中様々なライダーがいる中、バイクを走らせていて楽しいと思うのはどういうときなんだろう?」
「台数が集まれば街中を千鳥走行しているだけでも楽しくなる人もいるのだろうし・・・」
「でもそういう人って族車なら族車、ハーレーならハーレーってジャンルが揃わないとダメなんじゃないのかな・・・」

様々な思いが頭の中をめぐります。

ただ、根幹の部分で、綺麗な景色、楽しい道、その土地のおいしい食べ物、こういった要素が揃えば、実は目的地などは無くとも、1日を楽しく過ごせてしまうというのがライダーの本質だと思ってますし、そこでの出会い(景色、道、食べ物の)が、先にも繋がるバイクライフへのモチベーションになるのだと思うと、そのようなツーリングを繰り返していくことが、お兄さんの変化に繋がるんじゃないかって・・・、お兄さんはまだバイクの楽しみ方をあまり知らず、乗り物だから乗って出かけるところだけを探しているだけで、乗って楽しむということを覚えてもらえればいいんじゃないか?と、そんなことを思ったのです。

とはいっても、自分が誘えばツーリングには来てくれないのがお兄さん。
ならば、K田君とのツーリングを決めてから、計画段階で自分が意見を出していけば・・・
と、今回のツーリングが企画されるのです。

そこで色々と考えてみた結果・・・

景色あり!

【竹田城跡】
http://www.city.asago.hyogo.jp/takeda/
朝来市観光情報


【黒谷渓谷】
http://www.city.asago.hyogo.jp/takeda/
竹田城公式ページ


【宇治川ライン】

道あり!!

【国道429号線】
http://route01.com/r429p1.html
国道を往く R429

食あり!

【美富士食堂】
http://kisyoku1.web.infoseek.co.jp/mif.htm

ズバリ!三拍子ツーリング!!

前回も竹田城までツーリングをしているため、一部の方からは「また行ったんかい!」と突っ込まれるとは思いますが、企画としては今回のツーリングが先にあり、でも雲海発生の条件が前回のほうが揃っていたため、下見もかねて突発的に行ったというのが本当のところなのです。


で・・・・
前回の竹田城ツーリング同様、今回も早朝の出発となります。
今のところ朝の5時に沓掛に集合(鬼)して、無料になっている京都縦貫を北上後、R9を北上して朝来へ、R312を南下して竹田城を目指す行程になります。

雲海を堪能したあとは、R312を生野まで南下し、R429を横断して福知山、そこからいつものごとく綾部へ抜けてR27で和知まで走り、美山からR162で帰ってきます。

ここまでが本来自分の考えていたツーリングだったのですが、「食あり!」の部分で、お兄さんが「美富士食堂にK田君を連れて行きたい」というので、最後の山場として宇治川ライン経由で膳所にある美富士食堂へと向かいますが、夕食はちょっと早めの5時〜6時くらいになってしまうため、ここはみなさん昼食ぬきで頑張ってもらうことにしました。
えぇ、普通の時間帯に昼食を摂ってしまうと絶対にあの大盛りは食べられるないですから・・・。


自宅〜沓掛
前回は寝坊して6時半出発になったのですが、今回は沓掛のコンビニに気合の5時集合となります。
鬼のような時間ですが、言いだしっぺが自分のなので遅刻は厳禁であります。

そのせいで前日から緊張しすぎて睡眠時間2時間となりましたが…

早朝5時、沓掛のコンビニ…


みなさん遅刻なく集合しました。

ここでサプライズ。
当初参加メンバーには入っていなかったシェイブドヘッドさんも急遽参加してくださることになったのです。
しかしシェイブドヘッドさん、一睡もしないでの参加だったり、昼には用事で自宅に帰らないといけないという、かなりの強行スケージュールだったりします・・・。

で・・・、闇に浮かび上がるレプソル軍団。 (お兄さん、シェイブドヘッドさん)
CBR1000RRはレプソルになっていく運命を持ったバイクなのです・・・。

沓掛〜福知山
ここから縦貫道→R9→R312というのは前回と一緒。
ここ(沓掛)までは新聞配達のバイクや配送のトラックが行き来する、普段通りの夜明け前といった雰囲気なのですが、これから先、濃い霧に覆われながらの極寒ツーリングが待っていることは・・・、体感した者にしかわかりません。
たぶん他メンバーの想像の範囲は軽く超えているとは思われます。

縦貫道、老ノ坂トンネルから先はやはり濃霧でした。
日の出前の暗い自動車専用道路。交通量が少ないため車のペースは速いのですが、シールドがすぐに曇ってしまうバイクにはなかなか厳しいシチュエーション。

シールドの内側が水滴でベタベタになってしまうと、シールドを開けて走るしかないわけですが、シールドを開けて走っていては…

顔が寒いし、目が痛い・・・。
でもそうするしかないんです・・・。

こんな状況が続くため、寒さや霧に慣れていないであろう後続メンバーに気を使いながら、ゆっくりなペースでの先導を心がけていたのですが…

後ろがついてこれません。。。

走行前はK田君が苦戦するだろうなって思っていたんです。
前回(地獄の岡山ツー)、夜のデカンショ街道が大変そうでしたから。

でも今回、大変だったのはK田君ではなくお兄さん(紅の弾丸さん)だったんですよ・・・。

出発時「どうせ一人かっ飛んでいくんでしょ」といわんばかりに「K田君の前は僕がついてるから」と自らサポート役を買って出たお兄さん。
しかしそのお兄さんが自動車専用道路であるにもかかわらず60キロ巡航でいっぱいいっぱいの様子・・・。

昼間でもこんな速度で走られてしまっては怖いというのに、早朝の道がガラガラな状態では、正直他の車両のと速度差が大きすぎて危険すぎます・・・。(一般車両との速度差60〜70キロくらい・・・)

途中、料金所のところで、何かトラブルでもおこっているのかと確認してみると、メガネが曇って前が見えないと。
まだ空も薄暗い濃霧の中、他の車両とこの速度差はかなりの危険を伴うため、いっそのことメガネを外してもらうことにしたのですが、結果は変わらず、口には出していませんが、最後尾にいたK田君は、かなり怖い思いをしながら走っていたんじゃないかなって想像してしまいます。

縦貫道を降りて9号線。
なるべく早く到着したいと、ノンストップで竹田城まで行くつもりでいたのですが、慣れないシチュエーションにか、お兄さんもK田君もペースがガタ落ちになり、あきらかに辛そうな雰囲気を感じたので、一度福知山で休憩することにしました。

ちなみに走ってきた縦貫道の気温は0℃度前後
濃霧だと体感的にはもっと寒く感じますし、シールドを開けっ放しでは寒さが”痛い”のレベル。
ヘルメットを脱ぐとみんな顔も目も真っ赤っかで笑えたのですが、見えないだけでそれは自分も同じってことなのです。



木霊(こだま)が写るよ〜!ってお兄さんが言うから自分も写真を撮ってみると、木霊だらけです。
霧にフラッシュが反射して・・・、なんて夢のないことを言わずに木霊ってことにしておいてください。


福知山〜和田山
福知山から和田山までの区間では気温−2度を記録しました。
表示温度が下がっていくにつれ気持ちは盛り上がっていくのですが、路面に凍結がないかなど、先導である自分は細心の注意を払わなければなりません。

そんなライダーにとってのシビアコンディションにありつつも、霧が晴れている場所では、川から蒸気が立ち上がっていたり、畑で霜がキラキラと光っていたり、濃霧の場所でも車のテールランプだけが見えていて、のぼり勾配になっていると、赤い光の列が空に上がっていくように見えたりと、こんな条件でしか楽しめない要素は沢山あるのでした。


和田山〜竹田城
和田山に到着してまずは立雲峡。
ここは軽く山登りになるので自分にはなかなか辛い場所なのですが、今日は自分よりも重量級な兄さんがいますしね、へばってる姿を笑ってあげるつもりだったんですが・・・・・・

K田君とスタスタ登っていくお兄さん。
「体がオーバーヒートする〜」とか言いながら自分を置き去りにしていくってどういうこっちゃ!!!

息も絶え絶えで展望スポットへ。
「すっごい早起きして、すっごい寒い中を走ってきて、これで天空の城が見えなかったらどうしよう・・・」と心配していた自分を他所に、今日も見事な天空の城です。


ついこないだ同じような景色を見たのですが、何度見ても幻想的な景色に言葉を失いますね。
ほんと雲海が広がっている景色ってすっごいですし、前回よりも時間が早いので、視界全体が薄青くて、また少し違った光景を見ることが出来ました。

どこを見も広がっている雲海。
この広がりがカメラではうまく収められないというのが非常に残念。。

でも自分のツーレポは記録というよりは、皆さんのツーリング動機にもなればという思いのほうが大きいので、これ見て凄いと思った方は、ぜひとも現地まで行って見てきて欲しいです。

雲に浮く天空の城を暫く眺めてから竹田城址へ移動。



雲海は前回よりも浅いのですが、時間が早いので陰陽のコントラストがくっきりして綺麗・・・。


雲海を堪能後、昼前から用事のあるシェイブドヘッドさんとはここでお別れになりました。

10時前だったんですが昼までに帰れましたかねぇ・・・?


そして自分たちはR312→R429と帰ります。

和田山〜福知山
R312はゆっくり走る軽トラ先頭の車列にまぎれて走っていたのと、日が昇ってポカポカ陽気になったのと、前の晩睡眠時間が2時間だったのと色々な要因がからんで途中で意識が薄れていました・・・。
途中首がカクッっとなり、さすがにやばいと、寝てしまわないことに意識を集中してましたね・・・。

R429に入ってからはフリーで走れる区間があったので、目覚ましのペースアップ。
でもタイヤがグリップしないな〜って思ったら黒川渓谷で気温5度の表示。
寒いのはわかりきっていたので防寒をしっかりしていたおかげで、気温が低く、路面温度が低いことに気づきにくかったんですね(汗)

ちなみに竹田城散策でカッパを脱いでしまった紅の弾丸さんは、下はGパン一枚で生野〜青垣区間を走り抜けました。
想像するだけでも寒っ・・・。


黒川渓谷の先にある青垣峠。
一部マニアが胸をときめかせる道幅2.8mはみなさん楽しんでくれたようです。

対向車も1台すれ違ったので、ネタとしては合格をいただけたんじゃないでしょうか。

なんて言いながら、本心は誰かが道以外を走って?飛んで?しまうのではないかとか、対向車に突っ込んでしまうのではないかと、気が気ではなかった自分です。

でもウケたかどうかで言えばK田君にはウケてました。
道で笑えるということはライダーの適性はバッチリということです。

青垣〜福知山
青垣のコンビニで一度休憩。
眠さと緊張で体力を消耗しちゃったんじゃないかなっていう、ベテランライダーらしい優しい気遣い。(のつもり)

「二人とも顔ひきつってるんじゃないの〜?」なんて思っていたら二人とも余裕の表情を見せてます。

ひょっとして狭い道が終わったと勘違いして安心しきっているのでは・・・?
自分のSな部分が騒ぎ出します。

「この先の榎峠がまた狭いんですよね〜。」にやりと自分。

「え?今のが榎峠じゃないの!?」(紅の弾丸さん)
「えぇぇ・・・まじっすか〜!?!?えぇ・・・っ」)K田君

あぁ、この新鮮なリアクションがたまりませんわ(笑)
ま、一応「榎峠の道幅表記は3mってなってるからさっきのよりも広いよ」とはフォローしておきました(笑)

「20cmってこれくらいですよ。これくらい。」K田君が両手を使ってなにやら言ってますが鬼教官のごとく有無を言わさず出発です。


R429に入った直後は対向2車線の広い道となっているのですが、遠坂トンネルの立派な高架をくぐる直前にある、集落へ入っていく細い道がR429の本線。
それまで走っていた対向2車線は、何の疑いもなくそのまま進むと行き止まりになってしまうという、初見泣かせなところも酷道としてのポイントの高いところ。

たとえ後続が「どこへ行くつもり?」なんて思っていたとしても、「道を間違えているわけではない」と堂々とした走りで榎峠へ向かっていきます。
集落を通り過ぎるとうす暗く細い山道になります。
さっきの休憩であらかじめ狭いということを言ってしまっていたためか、思いのほかK田君がスムーズに走っているので、なんだか面白くない(笑)

「前もって何も言わず華麗に突入すべきだったか?」
「対向車たくさん来い」
こんないやらしいこと考えてましたよ(笑)

ちなみに落ち葉もひと段落してきたこの時期ではありますが、もともと交通量が少ない道。
車が落ち葉を掃いてくれることがないため、濡れ落ち葉だらけでバイクには辛いシチュエーションにはなっていました。
それに苦戦していたのはK田君ではなく紅の弾丸さんだったんですけどね・・・。


R429を走りぬけ、R9へ合流。福知山の市街地を抜けて三段池で休憩をとりました。

ここはロケーションがよく、ときどき休憩のため立ち寄る場所なのですが、三段池公園で今話題のものと言えば・・・



福知山動物園ですよね。いやぁ〜突発的に入ってしまいましたよ。

うりぼう(てかもう大人やんw)と

みわ


この二匹がロデオをするというので有名なんですが、みわちゃんがおねむということでロデオは未定とのことでした。
ちなみに入園料210円。なんて安さなんでしょ・・・。


福知山〜伏見
福知山からは綾部→和知→美山→周山街道と帰ってきました。

でも今日のツーリングはこれで終わらないんです。
晩御飯を食べるため滋賀県の膳所を目指すんですよ。このためにみんな昼食抜きで走ってきたのです。

伏見で自分だけ自宅に立ち寄り、グランドアクシス100に乗り換え
事前にそれを言っていたら、お兄さんもリードに乗り換えるなんて言ってたのですが、「お兄さんのリード遅すぎですよ!!」ってことで却下しちゃいました(笑)
リードでもK田くんペースくらいで走れるのであれば容認したのですが、一人だけ遅くなるのが、走る前から見えちゃってますから勘弁願いたいのです・・・。

伏見〜膳所
Gアク先導で宇治川ラインへ。
「ちゃんとついてこれるかな〜?」って感じに最初はK田君をからかうような感じに、それでもミラーから消し去ることはせずに楽しく走っていたのですが、途中から自分の前にRVFが現れて、K田君そっちのけで逆に遊んでもらっちゃいました。(汗)
いやぁ直線はこっちにあわせてくれるものだから楽しくて楽しくて。。。

途中で「そういやK田君道わかってないんだった!!」と気づいた頃には、自分ひとり京滋バイパス南郷IC入り口のある交差点手前まで来ていてしまって、曽束大橋をクランクのように渡る地点が少々ややこしく、二人してグルグルさまよってないか心配になったのですが、その辺はお兄さんがちゃんとフォローしていたようで、お兄さん先導でK田君も追いついてきました。

いやぁ・・・とんでもない先導役です。。。
しかしお兄さん、ちゃんと道わかったのね。(ぼそっ・・・)

膳所〜自宅
晩御飯は膳所にある美富士食堂。
普通の価格でとんでもなく大盛りな料理がでてくるので有名なお店です。


みんなカツ丼(並700円)を注文してかんぱ〜い(ほんまにやるか・・・)
「ツーリングでここにきた人、みな一度は大盛りカツ丼完食してるんだぞ〜」なんていいながら並盛でグロッキーなK田君をからかってました。

かく言う自分はですねぇ・・・
"並"に対してもけっこう弱気でいたんです。ここ数年"並"でグロッキー手前までなってましたから。
でも並みをペロっとたいらげ、今日なら大盛り行けたな〜なんて思うくらいの余裕がありました。

膳所〜自宅
帰りは自分だけ宇治川ライン経由、お兄さんとK田君は1号線で帰ることになりました。

「帰りも宇治川ライン走りましょうよ」
当然のごとく二人を誘ってみるのですが、「遠いから」の一言で却下となるのは、なんとなく読めていましたよ。。。

いや、自分も宇治川経由では実は遠回りなんですよ・・・。
それに自分、峠じゃ原付にもぶっちぎられたこともある程度の600SS乗りですよ・・・?
なにも小僧まがい的なことをするような受け取り方ではなく、本心から「楽しく走って帰りませんか?」って誘っていると受け止めて欲しかったのですが・・・
それに今は自分、原付(2種)なんで・・・、リッターSSから露骨に嫌がられる理由もないと思ったんですが・・・

まぁ、ってな感じに、自分が途中退場のような形で今回のツーリングを終えるのでした。





ふふふふ・・・

今日は景色!、道!、食!の三拍子ツーリングなんていってましたが・・・


寒い!(景色)、狭い!(道)、苦しい!(食べ物)のドM三拍子ツーリングだったってことにK田君は気づくことができたのだろうか。

別れ際、「楽しかったです〜」と言っていたK田君に、心の中で「ようこそ、こちら側へ」とつぶやいていたことは内緒だ。


追記

おにいさん
「今度は大阪城までツーリングしようかと思っている」
「姫路城、竹田城ときたら、次は大阪城でしょ〜。」

自分
「電車でですよね?」

お兄さん
「いや1号線。」

自分
「……。」

なぜにこうなる・・・。。

back
top