行くぜ!!北海道(05年7月30〜8月6日)
参加者 自分(CBR600F4i)
思い起こせば去年の春頃…自分が北海道モードになっていた時期があった。
しかし何をするにしても尻が重い自分は休みを貰う努力もせずに、その年はお流れ…
だかあきらめつかず、今年の春頃には職場の人にもちらちらと「今年の夏は北海道に行きたい。連休をもらいたい」なんて話をしていた。
それでもまだ確定ではなく予定。お金かかるし…。長期休暇は迷惑かけるし…。そもそもキャンプツーリングすらしたことないし……と。
たぶん自分の背中を押したのは今年入った新人。
彼にも「北海道に……」なんて話をしていたとき「僕はチャリダーで北海道をまわったんですよ」と。
彼から聞く北海道は、自分がまさにあこがれていた北の台地。
しかもガイドに乗っていそうなあらゆる場所の情報を彼は持っていた。
思い起こすように彼はいう。
「開陽台の星空は〜」
「オロロンラインから眺める利尻富士は〜」
「カムイワッカは行くべきですね!」
「それまでの知床の道なんて最高です。牧場なんて所詮人の作った自然でしょ?」
「いいですよ〜北海道は」
「行ってしまえばなんとでもなりますよ。」
「僕は後半ジャガイモばかりたべてましたよ。」
「足りないものも現地で買えばいいんです。」
それからの約1ヶ月は北海道モード。
後輩にガイドブックを見せては「ここはどお?」なんて聞いていた。休みの日や仕事帰りになるとキャンプ道具やツーリング道具を揃えに店を回っていた。
心はもうすでに北の大地。行くぜ!!北海道
(05年7月30日)
自宅〜美山牛乳
6時に仕事を終え、早々に帰宅。シートバッグなどを固定していると、同じマンションの人が話しかけてくる。
今年、引越してきたこの人は、バイクに乗っていたのか、乗っていなかったのかは忘れたけれどバイクのことを熱く語る。
「北海道へ行く」なんて答えたものだから「自分が車で北海道にいったときに出会ったライダーさんは○×△□※◎」と自分ごとのように楽しそうに語る。
聞いているこちらとしても楽しいのだが…
「ちょっと時間が…ごめんまたこんどにして!!」という気分…
言えませんけどね…
結局、7時まで話をしてから出発となる。
夕方の暑い市内を走りながら「北海道は涼しいのかな〜」なんて考えているとジャケットを着ていない自分に気付く…。
最近の暑さにジャケットを着ないことが当たり前になってしまっていた自分…
「なんてこった〜」とジャケットを取りに帰る。。。。
結局自宅を出発したのは7時半っと…
今回、選んだ北海道へのアクセス方法は舞鶴港から出航している小樽行き新日本海フェリー。
市内から舞鶴までは普通に考えればR9→R27なのだが自分の選んだルートはR162(周山街道)→R27。
R9は園部まで交通量が多いし、トラックも多い。周山のほうが交通量も少なく、夜も走り慣れているし絶対に速い!という計算から。
フェリーは午前1時出航、午後11時受付なので11時までにはなんとしてでも舞鶴まで行かなければならない。
「間に合うのだろうか…」帰宅ラッシュに混む市内を走り心配がつのる。。。
夜の周山は交通量もそこそこで、飛ばせるところは荷物おかまいなしのペース。夜の山々にこだまするフォーーーンとかなでるエキゾーストをBGMに調子に乗っていると、美山牛乳の横にとまるパトランプを発見…
「なぜ…こんな時間に…まさかのそのまさか…」
思わず自分は路側帯にバイクを停める…
様子をうかがうと自分の前を走っていたワンボックスがとまれの旗を出され警察の誘導で美山牛乳に入っていく…
迂回も考えたが、覚悟を決めた自分は再び走りだし美山牛乳へ向う…。
美山牛乳〜道の駅和
美山牛乳の前に行っても自分は旗をだされない。そのまま休憩のために美山牛乳へ入った。
入り口で「安全運転でね。」とポリスメンは一言だけ言ってスルー。
たばこを吸いながら観察していると、どうも飲酒の検問をしていたようだ。
「飲酒検問ってバイクには無いものなのか?」疑問に思いつつも「この荷物を見て時間を割いたら悪いと考えてくれたのかな??」と自己解決。
本当にそうなら警察って悪人だらけってこともなさそうだ。
このとき時間は8時40分。時間に余裕があるので次の休憩は和知にある道の駅和に決め出発した。
周山街道を少しだけ進み、九鬼ヶ坂を越えたところでr12へと入る。
この道は休日でも快走路なのだが夜ともなると更に交通量は激減。気持ちよく走りたいところだが…民家も多いのでペースは押さえ気味。
ただし大野ダム前後は別(汗)
道の駅和〜舞鶴港
美山牛乳から道の駅和までは距離もなく、すぐに到着。
ここからは交通量が少し増え、今までのペースでは走れないと考えると長く休憩をとることもできなかった。
周りの人もジロジロと荷物満載のバイクを見ていく。
下手に長居してしまうと気さくなおじさん達につかまってしまうのではないか?という焦りもあった。
R27を北上していると荷物満載のバイクと何台もすれ違う。
一足先に北海道へ行ってきたライダー達だろう。
「自分もこれから行きます!!」
未だに北海道へ向っている実感のない自分も、このあたりから現実味を感じてきているのであった。
舞鶴港〜フェリー
見慣れた赤レンガの壁が続く。
綾部から交通量が増え、思うように走れなかったことで焦りが生じていた自分にも赤レンガが目に入ると安堵感に包まれる。
が…時計を見ると10時……
早過ぎる到着にしばし頭を悩ます。
どこかコンビニを見つけて入るか…、念のためフェリー乗り場の様子をうかがうか…。
「とりあえずフェリー乗り場の様子を見てこよう!」そう決めた自分はフェリー乗り場は向かう。
「コンビニはそれからでもいいか。」とターミナルへ入っていくと…警備員が誘導の棒?(オモチャのライトセーバーみたいなやつ(笑))で自分を誘導してくる。
知らんぷりこいてスルーしようと思ったら…
その警備員、体を一歩前進めて「こっちだ、こっち!!」と言わんばかりに誘導してくる……。
意思の弱い自分は警備員のいいなりで……、フェリーでの食料も調達しないまま乗り込み待ちの列を案内されバイクをとめてしまった…
バイクをとめるとバイクでコンビニに行くことも出来ず、受付を済ませたあとはしばらくぼっ〜〜〜〜〜っとする。
既に十数台のバイクは止まっているのだが…、自分から話かけることはできず、ただただ暇な時間が過ぎていった……。
午後11時が過ぎフェリーへの乗り込みが開始される。
「凹凸がありますのでゆっくり入ってくださいね」係員からそう言われながら高ぶる気持ちを抑えきれず勢いよくフェリーへ入っていく自分。案の定、凹凸でバイクはポンポン跳ねてしまう…。
しかし、、、考えてみると凹凸よりも、フェリーの床が怖い。
さすがに鉄板ということはなく、コンクリートのような床ではあるのだが、もしそれが濡れていたら…、もっと滑る床だったら…、乗り込んだあとに冷や汗をかくのであった。。。。
(05年7月31日)
フェリー〜小樽
午後11時を過ぎてからの乗り込み、2等寝台でしばし休憩&荷物の整理をしていると既に日はまわって7月の31日になっていた。
仕事疲れはあるが眠れない。
とりあえず喫煙室に煙草を吸いにでかけてみることにした。
ここで「ライダーさん」ですか?と若い青年に話かけられる。自分の姿はTシャツ&ジーパン。ただ年期の入ったヒップバッグを肩からぶら下げていた。
「このアイテムだけで非ライダーからもライダーと見えてしまうのか。ライダーってそこまで異質な存在なのだろうか…」複雑な気分になりながらも、その若い青年としばしおしゃべりをする。
彼は自転車で北海道ツーリングをするらしい。いわゆるチャリダーさんだ。
大学1回生と若く、下手すりゃ自分と一回り近く歳が離れているにも関わらず
、北海道はお互いにはじめての経験。同じ北海道1年生なのだ。(車での旅行は除く)
期待と不安が入り乱れ、しかしどこか行き当たりばったり感のある会話はやむことを知らない。途中で場所を喫煙室から後部デッキに変えながら話は続く。
午前1時が近くなっているのだろう。船の後部はあわただしい雰囲気に包まれ、出航ムードが高まっていく。
出航前になるとデッキへと沢山の人が入ってくる。
そんなレジャー気分おかまいなしに彼との話は続く。周りの雰囲気に呑みこまれることを拒むかのように……。
何が自分をそう思わせたのだろう。後になって考えてみると自分にとってこれはは小さな旅の始まり。浮かれていては自分を見失いそうな……、いや、もっとわかりやすく例えるなら、TV番組の初めてのお使いに出てくる子供とかわらないような心境だったのだろう(笑)
子供と変わんないやん!!今ツーレポを書いていて一人笑いするのであった。
船は既に出港し、街の明かりが小さくなるに連れデッキの賑わいも落ち着きを見せる。
気付けばデッキには自分と彼の二人だけになっていた。
ひとしきり話したせいか、お互い黙って闇の海を見つめている。
文章にすると雰囲気があやしすぎるな……
ただ自分はこれから始まる旅への、期待と不安の入り乱れる高揚感に満たされていたのだ。
…いや満たされるというよりは襲われてといったほうが適切かもしれない。そのため言葉を失い黙り込んでいたのだ。
最初に口を開いたのは彼だった。
「いよいよこれからはじまるんですね。」
「うん。いよいよやねぇ」
そう簡潔に答えながらも、この言葉を聞いたときに嬉しさを感じた。
チャリダーとライダーはわかりあえる&わかちあえる存在なのが何よりも嬉しかったのだろう。
それからしばらくして彼とは別れ寝台へ戻る。
しばらくすると知らないうちに寝ていたらしい、朝のアナウンスで目が覚めしばらく船内をブラブラとし、すっかり登ってしまった日を見にデッキへ。
今回ショックだったのが出られるデッキが少なくなってしまったことだ。
以前(といっても15年は前になるか…)は船の横側のデッキも自由に出入りすることができたのが、船の航行速度もあがり後部デッキにしか上がれなくなっていた。
後部デッキではまっすぐ歩けないような猛烈な風を体に受けることができない。その風を受けながら自分も同時に北の大地へと向っていることを実感できたというのに…。
後部デッキでは通ってきた航路を見るだけ。。。。。大げさに言うなら過去を振り返っているようにも感じ取れ、前へ前へと進もうとする自分の気持ちとは相反している。
「こんな小さなことでも雰囲気ってかわるもんなんだ。」
歳をとり感性も衰えたのだろう。無理な理屈で考える自分も重ね合わせてどこか冷めてしまった。
その後、寝台へ戻るとまたもや寝てしまったらしく15時に目が覚め風呂に入りにいく。
風呂から出るとフロアでチャリダーさんと再会。またしばらくお互い地図やガイドを見ながらあ〜だこ〜だと北海道への期待を膨らました。
小樽港到着アナウンスが流れライダーは一斉に降車準備にかかる。
自分も再びバイクに荷物を積み込みゲートが開くのを待つ。
ここでふと隣のバイクに貼ってあるステッカーが目に入る。ステッカーには「放浪の旅人シン」と書かれていたのだ。
自分はこの名前に見覚えがあった。自分がホーネットに乗っていたときHPがきっかけで知り合い、その後も付き合いの続くたにし君の知り合いであり、たにし君のHPで何度も見かけたことのある人だ。
シャイな自分は自分からなかなか人に声をかけるといった行為ができないが、恐る恐る「以前ホーネットに乗っていて、今VTR1000Fに乗っている知り合いいませんか?」と話し掛けてみると、すぐに「たにし君?」と返ってきた。
「たにし君の知り合いのものです。」と伝えると「そうなんだ。もっと早くに言ってくれればいいのに。」ととても気さくに返事してくださり、フェリーを降りてからはシンさんと一緒に行動することになった。
ゲートが開きフェリーを降りる。午後8時半。北海道。
しかし生ぬるいこの空気はなんなんだ・・・・・?フェリーを降りてからすぐのローソンは昔とかわらずローソンのままなのに北海道へ着た実感は少々薄れてしまうのであった…
この日小樽港ではお祭りがありフェリーからも花火があがるのが見えていた。
晩御飯はお祭りで食べると美味しい海の幸にありつけるのだろうか?フェリーを降りるまえに「お祭りへ行こう!」とチャリダーさんと話をしていたのだが……キャラのいいシンさんとの話はあきず祭りはすっかり頭から抜けてしまい、気がつけば「じゃそこの飯屋(牛丼屋)さんで」と牛丼チェーン店で晩御飯を済ますのであった…。
お祭りを期待していたチャリダーさんごめん…
晩御飯を済ませ再びローソンの前で談話を始める。
その後、今日の寝床の話になり自分とチャリダーさんは近くのサウナで一泊する予定だったのだがシンさんともう一人シンさんが船で知り合った外国人チャリダーさんはフェリーターミナルで野宿するというので自分とチャリダーさんもご一緒させてもらうことにした。
キャンプツーリングすらはじめての自分にはいきなりのサバイバルな雰囲気にドキドキワクワクである(笑)
小樽港のローソンにて
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