ベルト・ウェイトローラー


V125(K5〜L3)、V125S(SL0〜SL3)

必要な工具
・ユニバーサルホルダー
・ソケットレンチ
・プラスドライバー
・スクレイパー
・プラスチックハンマー

必要なパーツ
・ケースガスケット

必要なケミカル
・パーツクリーナー
・プーリーグリス(有機モリブデングリス)
・汎用グリス(リチウム)



1)
・エアダクトを外す


プーリーケースの取り外しまでに使う工具はこれだけ。
8mmのT字レンチ、プラスドライバー、10mmメガネレンチ


赤の印をつけたプラスネジ2本を外します。


このダクトはプーリーケースの吸気口なのでフィルターに粉塵や落ち葉が堆積しています。
外すついでに清掃しておいたほうがいいです。


2)
・キックペダルを外す


ここのボルトを外して、キックペダルを引っこ抜きます。


3)
・プーリーケースカバーを外す

規制後(K9、L3、SL0、SL3)
印のボルトを外してプーリーケースカバーを外します。
じつは中央のボルト、V125Sや規制後のV125(K9〜)で増えたボルト。

規制前(K5、K6、K7)
K5〜K7のアドレスにはありませんので規制前アドレスV125のボルトは4本、アドレスSや規制後V125は5本になります。


4)
・プーリーケースを外す

(規制前)
外すボルトは計6カ所

規制前と規制後でケースの構造が変わりますが、外すところは同じです。

(規制後)
規制後V125にはこの部分にフィルターがあります。
規制前V125にはありません。おそらく騒音対策のパーツなんでしょうね。

後ろの三日月のようなフタは、ミッションオイル交換用のフタ。
規制後V125はケースを外さなくてもカバーを外すだけでミッションオイル交換が可能なんです。


手前に引けばパカっと外れますから、手間が増えますが駆動系をメンテナンスする際はこのフィルターも軽く洗ってもいいと思います。
ベルトカスが付着している程度ですが。


ボルトをすべて抜くと、本来は手前に引けばケース外れるのですが、頻繁に開けている人以外はおそらく硬くて取れないでしょう。
その場合はケース側面をプラスチックハンマーでたたきます。
かなづちはケースが割れる可能性があるので使用しないでください。

少し隙間ができるとグラグラしてくるので、ゆすりながら手前に引いて外します。
(稀にノックピンが外れるので注意)


ケースのガスケットは再利用禁止のパーツ。
綺麗に剥がれた場合は自分は再利用していますが、ほとんどの場合どこかが破れてしまいます。

その場合はめんどくさいですが綺麗にスクレイパーではがしてください。


5)
・クラッチ&セカンダリープーリーを外す


ここから先、使う工具。 真ん中のユニバーサルホルダーという専用工具が必要になります。
キタコ KITACO/ユニバーサルホルダー
キタコ KITACO/ユニバーサルホルダー 汎用

ホームセンターでの入手では無理ですが、アストロやストレートといった工具屋さんであれば在庫していることが多いです。
無論、バイクパーツショップなら買えます。

スクーターの駆動系をいじる際には必要な工具ですし、それほど高価なものでもないので購入しておいてください。


クラッチアウターをユニバーサルホルダーで固定し、ドライブシャフトにクラッチを固定しているナットを緩めるのですが、むちゃくちゃ硬いと思います。
でもこのナットには浸透潤滑剤などを絶対に吹かないでください。クラッチやセカンダリープーリー内に潤滑剤が入ってはいけませんから。
柄の長いレンチを使えば楽です。

手持ちの工具では外れなさそうなら素直にギブアップして柄の長いレンチを買ってくるか、バイク屋さんにお願いしたほうがいいですよ。
このナットを舐めてからバイク屋さんに泣きついても、バイク屋さんだって大変な作業です。
時間で工賃が決まっているので、バイク屋さんが1時間かけて外せば8000〜10000円かかるということです。

 ⇒ 
ナットが外れたらクラッチアウターを手間に引いて外します。

余談ですが

規制前のクラッチアウター6185.5グラム、規制後のクラッチアウター837.0グラム
規制後はけっこう重いですね。クラッチアウターが重いとアクセルのレスポンスやエンジンブレーキがマイルドになります。


このようなイメージでセカンダリプーリーを広げ、ベルトを中へ押し込んでいきます。


ベルトが中へ入ったら


クラッチASSY(クラッチ&セカンダリプーリー)が外れます。


6)
・ドライブフェイスを外す


クラッチと同じようにユニバーサルホルダーでドライブフェイスを固定


クランクシャフトに固定しているセンターナットを外します。


これでベルトが外せました。

余談ですが・・・

規制前ドライブフェイス160.5グラム、規制後ドライブフェイス146.0グラム。
おや、規制前のほうが重たいと・・・。
これ駆動系各部計っていくと色々な違いを発見できそうな気がしてきた・・・。


6.5)

ウェイトローラーの交換・ドライブプーリーの清掃

ドライブプーリーやウェイトローラーの清掃・グリスアップをする場合はこちらのページで解説します。


7)
・清掃、グリスアップ、取り付け


駆動系パーツもすべて取り外せたので、洗浄します。

(画像にはドライブプーリーも混じっています)
金属パーツの洗浄は歯ブラシやハケ等でダストを除去し、残ったものをパーツクリーナーをしみ込ませたら布で拭く感じ。
プラスチックパーツの洗浄は洗剤と水。白くなってきたプーリーケースカバーはボンスターとクレンザーで黒さを取り戻せたりします。(メラミンスポンジよりも断然楽)

フィルター(スポンジ)は洗剤を溶かした水で軽くもみ洗いです。


ドリブンプーリーの軸受け部にはベアリングが入っていますので古いグリスをある程度拭き取って、新しいグリスをグリスアップします。


8)
・ベルトを装着する


新しいベルトを用意します。
キタコ KITACO/ドライブベルト タイプX
キタコ KITACO/ドライブベルト タイプX アドレスV125


自分は特別な理由がない限り純正ベルト派ですが、k6のV125はプーリーを少し加工しちゃっているためキタコのハイスピードプーリー用のベルトを入れてます。


写真じゃわかりづらいかもしれませんが、少し長いのです。(奥がキタコ)
まぁこんなパーツもあるよってことで、またV125Sの写真で続けていきます。


バネで閉まっているドリブンプーリーを


握って広げてやります。


そこにVベルトを押し込んでいきます。
ベルトには回転方向がありますので、ベルトの矢印が写真の方向になるようセットしてくださいね。


その状態でドライブシャフトに差し込みます。
ドリブンプーリーにベルトを押し込んでやることでクランクシャフトとベルトの間に隙間ができます。これが重要。


ドライブフェイスを装着したときに抵抗なくプーリーボスに当たれば問題なし。
ベルトに跳ね返され、ボスに届かない感じであればベルトの押し込み不足(隙間不足)


問題がなければキックの受け?を装着。ちゃんとスプライン(ギザギザ)に入っているかを確認してください。


ワッシャーをはめ、ナットを手締め


最後はトルクレンチを使って規定トルクで締め付けます。


ケース類を組み付けるまえにエンジンを始動して異常がないかチェック。
この状態でエンジンをかけていいかどうかは車種によりますがV125は大丈夫です。


9)
・もとの状態へ戻す


外した逆の順をたどるだけなので
”プーリーケースの取り付け” ⇒ ”プーリーケースカバーの取り付け” ⇒ ”エアダクトの取り付け” ⇒ ”キックペダルの取り付け”
この作業を行うだけなのですが、ケース組み付け時の注意点を2点だけ解説しておきます。


プーリーケースを固定する際、ここはリアブレーキワイヤーのガイドと共締めします。


規制後V125やV125Sのここにはハーネスのガイドがあるので、こちらもボルトと共締めです。


作業は以上です。
お疲れさまでした。



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