伝説のツーリング 十津川・熊野ツーリング(2014年9月16日)
参加者:お兄さん(CBR1000RR)、Kさん(FZ-1フェーザーGT)、自分(CBR600F4i)
モンキーよりは速かいのかもしれない。おくとろ〜杉の湯
場所を道の駅おくとろに移す。
ここに併設されているコンビニには北山村名産のジャバラを扱った商品が数多く販売されているのであるが、ジャバラというものが珍しいものだという知識がなければ単なる柑橘類の一種に成り下がる。
ミーハーには食いつきがいいだろうと勝手に思い込んでいたのであるが、テレビっ子達はテレビで見たものでなければ食いつかない。その様子を見てから「しまった」と思った。
ここは日本で唯一の飛び地である北山村。
その北山村に数年前できた北山村唯一のコンビニ。
そこで売られている日本で唯一生産されるジャバラという柑橘類であったというのに・・・。
とりあえずジャバラジュース購入し、店の前の椅子に腰掛けみんなで飲む。
そういえば久々に休憩らしい休憩をしたような気がする。
今日はツーリングというより旅行のような行程だったので、降り立ったところ=見て回るところになっていたかもしれない。
熊野大社以降は自分の意思とは関係なく、ひたすら連れ回されている状態になっていたお兄さんの機嫌もなんとな治ってきたかのような気もした。
薄暗くなってきたと思うと時刻は6時を過ぎていた。
6時過ぎにここだと・・・何時に帰れるのか・・・自分だけは焦ってしまう。
ここから先も信号が少なく、道は整備されているので気持ちのよいペースで走れることは分かっているのだが、それは車を追い越せてのこと。
モンキーに抜かれるペースで走られてしまっては、今日中には帰れないかもしれないとすら考えていた・・・。
「次はどこまで行くの?」の問に「まぁ適当に1時間おきくらいで休憩できるところを探します。」と伝えて出発した。
奥瀞から七色ダムの先までの行程は交通量も非常に少なく走りやすかった。
しかしそれ以降、R309との重複区間から先は車の台数も増え、道が広く走りやすくなるため、遅い車が先頭になり車の列に阻まれるといったシーンが増えてくる。
走りやすいがために起こる車列、これが非常に厄介なのである。
直線はそれになりにはあるので、いくらカーブが遅くても直線では制限速度+αくらいまで戻せてしまうことから、自分が遅いということを自覚できない先頭車両。
しかしカーブがある限り、後続はどんどんその車列に吸収され、その大名行列は長くなっていく。
信号がないため分断もされることもなく、ほぼ1本道であるため、さらに遅い大名行列があればさらに吸収合体されてしまう。
こうなってしまうとバイクとは言え、追い越しが非常に困難なのである・・・。
遅い車は譲ればいい。
速い車は抜けばいい。
こんな簡単なことで大名行列など形成されずに済むというのに・・・
逆にドライバーのほとんどが大名行列を好んでいるのかとすら思えて仕方がない。
シーンによっては60キロ〜70キロは出ている大名行列も、アベレージ速度になおせば時速30〜40キロ。
仮にここから180キロあったとして、40キロで走れて4時間半、休憩を4回で計算すると合計6時間くらい、これで午前様は完成する。
もうお兄さん達の頑張りにかけるしかないのである・・・。
しかし、自分も追い越しは慎重&角が立たないことを前提としているため、この区間には苦手意識をもっている。
実際、カーブが遅いバイクをそれまでの区間でバシバシ抜いてきたとしても、ここらでいつも抜き返されてしまっている。
この区間での速さは”オラオラ度”の強さと比例する・・・。
まぁ京都のライダーにもわかりやすくいうなら、鯖街道の奈良版といったところか。
とりあえずあきらかに誰でも抜けそうな、1つの直線で3台ともが追い越し完了ができそうな、そんな場所で追い越しをかけ、追い越し前提での帰宅であるということを匂わせる。
追い越す前はあらかじめ右寄りにラインをうつし前を伺うような仕草をして、後続にも「追い越しするよ」アピールをするなどの工夫を盛り込む。
これでなんとかお兄さん達は頑張ってついてきた。
1回で3人が無理だった場合も、3人揃うまで次の追い越しを控えて、3人がバラけてしまわないようにしていれば、思っていたよりも二人は頑張ってくれたのである。
さすがは1000ccの二人。
直線ならモンキーよりは速いと考えを改めた。
先頭が見えない長い大名行列を、少しずつ少しずつ前に進んでいくと、先頭にいたのはジェットスキーを牽引している車だった。
ようやくその牽引車の2台後ろまで迫り、抜けるシーンを待っていると、長い直線があらわれる。
牽引車は先頭車両なので前はガラ空きかと思いきや、100mほど先にもう1台いたのだが、間違いなく一気に3台で抜けるシチュエーションである。
とりあえず後ろに余裕を持たせるため直線に入る前のカーブ立ち上がりから加速、直線で一気にパシュっと前に出て、ついでにその先にもいた車も抜く。
あとは後ろも付いてきてくれることを願うのだが、お兄さん、軍曹さんは牽引車の前まで出るのが精一杯だったようだ。
何故、こんな条件のいい場所で・・・
その原因は後でわかる。
工事信号で止まったとき、軍曹さんがお兄さんに「あの車嫌がらせしてきたな〜」と言う。
話しを伺うとあの車というのが牽引車で、お兄さんが横に並んだ時点で加速して追い越しを妨害していたらしい・・・
自分がそんなことをされたのであればニヤっと笑い、フル加速で置き去りにするだけの話しなのだが、走ることに対して臆病なお兄さんにとっては怖い思いと嫌な記憶として残るかもしれない・・・。
「なんでそんな嫌がらせするんだろう・・・?」とつぶやく自分に「車に乗ってるからわかるよ。ムカっとくるし。」と軍曹さん。
車列の先頭でゆっくり走っていても、抜いていく奴に対してはムカつくのがドライバーという生物の思考なのだろうか!?!?
正直ライダーだけの自分には理解に困ってしまった・・・。
「ゆっくり行きたいなら譲ればいいだけだとは思うのだけど・・・」口から出掛かったこの言葉は、現在の車社会において虚しさを覚えるだけなのであろうか・・・。
大台ケ原ドライブウェイの入口がある辺まで来たとき、十津川へ入った直後に現れたシグナスXとマジェスティSの家族が、ほとんど明かりもない待避所にバイクを止めているのが見えた。
「ひょっとしてガス欠したのでは・・・」
そう、R169を南から北上してくる際、最大の敵となるのは狭く荒れた酷道でもなく、車の大名行列でもなく、ガソリンスタンドが皆無だということなのである。
大台ケ原の麓である現地点でも、おそらく吉野まで走らなければガソリンスタンドはないであろうし、自分達が帰るルートともなると大宇陀までガソリンスタンドがないのである。
実は自分も現時点で多少肝を冷やしている。
このペース、この時間、大宇陀へ辿り着いた頃にガソリンスタンドが開いているのかどうかと・・・。
心配になり原付一家に目配せをしてみる。
とくにリアクションはなく、タンデムシートの子供は自家製バックレストに安全ベルトで固定され、スヤスヤ眠ってしまっていたのでトラブルとも言い難くそのまま通りすぎることにした。
おくとろを出てから1時間とちょっと、道の駅杉の湯手前まできたのでそこで休憩を入れることにする。
現時点でもそうであるように、車列にひっかかっている時間が長いせいで体のあちこちが痛いくなっていた・・・。
追い越しをかけやすいようにとCBRで来ていた今回のツーリング、正直な話しフォルツァでもよかったのではないかとこの時点で考えを改めていたかもしれない。
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