伝説のツーリング  十津川・熊野ツーリング(2014年9月16日)

参加者:お兄さん(CBR1000RR)、Kさん(FZ-1フェーザーGT)、自分(CBR600F4i) 


榛原ラビリンス(杉の湯〜針テラス)

時刻は7時半、もう真っ暗である。
こうなってしまうと二人は「疲れた」の合唱を始めてしまう。

無論自分も疲れていない訳ではないのだが、疲れよりも車が遅すぎて体のあちこちにコリや痛みがあるといった状況。
物事を正しく見ることができれば、本日ここまでの走行距離は300〜350キロ程度、走りやすい区間も多く、疲労の蓄積は軽かったと思うのだが・・・

そんな理屈は二人には通用しない。
彼らは時間が遅くなっただけ、バイクで走っていた時間が長かったと認識をするのだ。

軍曹さんは左手の握力が無くなってきたと言う。
お兄さんは「(立ち寄りポイントを)詰め込みすぎ!」と不機嫌を撒き散らす。

しかし体力や時間を奪ったのは野猿ではしゃぎすぎたことや、吊り橋を渡るだの渡らないだの、危ないだの危なくないだので騒ぎ立てたことであって、それをこちらにぶつけられるのは理不尽としか言いようがないのだが・・・。
いい歳こいたおっさんなら、自分の行いくらい自分で始末してほしいものである・・・。

そんなに言うならさっさと帰ろう。
これまでかなり限られた条件の中でしか掛けてこなっかた追い越しは、この先、各自の判断に任せることにした。

やはりこうやって走っていると、自分に関しては体が楽である。
さらには京都に向かって進んでいる感覚もあるので精神的にも楽になれた。

「離れすぎたかも?」と幾度か後続を待つことがあった。
そのたびに追い越しをかけてきた車両達に抜き返され、無駄な行為になったことに対して申し訳ない気分にさせられてしまうのだが、そんな自分の心境は露知らず、二人は並んでトコトコとやってくるのだ。
その姿を見て、苛立ちに近い感情を覚えてしまうわけなのだが、もう正直これでいいと諦める。
早く帰れないのは自分達が原因なんだからと、こちらは責任を投げてしまえばいいだけなのだから。

しかし十津川モンキー事件といい、今といい、この遅さはわざとやっているのではと思えて仕方がないのだが・・・。

吉野でR169からR370に入る。
R370に入ってからは道が空いていて、かなり走り易くなっていたのだが、ガソリンの残量計が点灯してしまい燃費走行を強いられる。
といってもまぁ、大宇陀まではあと少しだ。

が、道の駅大宇陀手前にあるガソリンスタンドは閉まっていたのだ・・・。
この先となると・・・、針まで行けば確実にガソリンスタンドはあるのだが、そこまで無事に辿りつけるかどうか不安がつきまとう・・・。

そうそう、榛原駅近辺のR370は非常に道がややこしい。
普段であれば道をトレースせずにイオンの三叉路をそのまま川沿いに走り、先の丁字路を右折、あとは道なりにいき、R369が直角に曲がる榛原パイパスの終点部分で左折するのであるが、今回誤ってR370をそのままトレースしてしまったのである。

数年ぶりの榛原ラビリンス・・・、「十津川はパラダイスだ」と言い続けてきた自分が、その相手に対して、こともあろうに道を間違ってしまうなど当然あってはならないこと。
榛原駅を過ぎ・・・、T字路を左に曲がり、高架あのある信号を・・・

・・・たしか、くぐってから右・・・?


無論目の前には交通案内標識があるのだが、もうその標識が意味不明すぎるのである・・・。
悲惨なことにこの交差点のR370はR165との重複区間、さらにはR369とR370の連絡区間、どの道に向かって進めばよかったのか、いつもここに来てから悩んだ記憶を思い出すのであった。

高架をくぐってから右は正解だった。
記憶を辿ろうとするも、間違いやすそうな道すべてに対して、曲がっていった記憶があったので難儀してしまった・・・。

正直言うと間違わずトレースできたのは半分くらいは勘であったかもしれない。
だが、これでなんとか威厳は保たれたのだ。
威厳など後ろの2台は微塵も感じていない現実があるにも関わらずだ。

  しかしまだプレッシャーがある。
そう、R369のバイパスに入っていくための細い一方通行を見逃してはならないのだ。

まぁ見逃してはならないと意識できている時点で、ここは問題なくクリアした。
ツーリングマップルに騙され、存在しない交差点を探し、何度もR165を東に進んでしまった過去があるおかげかもしれない。

これで榛原ラビリンスを何事もなく脱出できた。
しかし、この一連の流れは後続二人には知られてはならないこと。
ベテランとして”ドヤ”でも” ”でもなく、「何かややこしいところでもありましたか?」と平然を装っていなければならない。
まぁ後ろは「おまかせ〜〜」程度でついてきているだけなので、どの国道の標識も見ていないのが現実という悲しさはあるのだが・・・。
次がないということは覚える必要もないということだ・・・。

榛原バイパスまで来ると、もう針まで帰ってきたような気分になれた。
これでガス欠はなんとか免れそうだ。


<< ・モンキーよりは速いのかもしれない。

back
top