主観だらけのライバル比


●フォルツァの紹介(MF10後期型について)、どのようなバイクなのか
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●どうなのフォルツァ?
●トラブル
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●主要諸元


主観だらけのライバル比

ホンダ フォルツァ

スズキ スカイウェーブ250  

ヤマハ マジェスティ 
フォルツァの直接のライバルとなるのがスカイウェーブ、マジェスティ。
これら2車種を交えて、それぞれどんな味付けなのか、どんな立ち位置にあるのか、かなり主観的にはなりますが比較してみたいと思います。


デザイン・高級感
高級感は圧倒的にマジェスティがあります。
各種ボタンから、テールやウィンカーレンズなど、あらゆる面でデザインされています。フロントコンソールBOXにもダンパーが採用されておりシューっと開くところはさすがヤマハです。

フォルツァ、スカイウェイブは同等くらいに思えます。
あらゆるメッキパーツを廃したフォルツァ後期型。
足元からハンドル周りまでPP樹脂で覆ってしまっているスカイウェーブ。
パーツ単体で見ていけばスカイウェーブのほうが高級感はあるとは思うのですが、どうしてもPP樹脂は安っぽさと紫外線劣化が気になりますね。

デザインに関しては正直好みによるとは思いますが、マジェスティ、スカイウェーブはかっこよく、フォルツァはずんぐりむっくりな印象ではあります。

・エンジン・駆動系
スカイウェーブ26ps、フォルツァ22ps、マジェスティ19psと数字で見れば大きな馬力差があり、スカイウェーブが頭1つ抜き出ているような印象はありますが、実際にはスカイウェーブの加速はかなりマイルドで、意外なことに一番もっさりしている印象を受けるのです。

マジェスティは一番非力ながらも遅くはないのですが、高速での伸びは非力なだけにその差が出てしまいます。

フォルツァは加速から高速の伸びまで隙のない印象があります。

某M誌での加速比較を見ながら解説していきます。
100m 500m 1000m 1000m時速度
スカイウェーブtype-M 8秒605(MT) 23秒254(MT) 38秒799(MT) 119.7km/h
マジェスティ 8秒316(AS2) 22秒827(AS2) 38秒589(AS2) 115.4km/h
フォルツァ(後期型) 7秒927(MT) 21秒973(A) 36秒964(A) 124.5km/h
0→100m
フォルツァは唯一7秒台(ちなみにAモードで7秒930)。100mダッシュでも国内の原付2種スクーターには負けないタイムです。

マジェスティも速いです。国内2種スクーターの上位(リード125、PCX、アドレス)クラスをリードする実力があります。

スカイウェーブはやや出遅れといった感じ。擬似ミッションを持たないマグザム、ジェンマが8秒4〜5なのを考えると、擬似ミッションを使ってもそれに劣っています。重量がかなりハンデかもしれません。

100→500m
フォルツァはこの区間でもぐんぐん後続と差を広げます。
フォルツァ14秒046、マジェ14秒511、スカブ14秒649
マジェスティとスカイウェーブの伸びは同じくらいになってきますが、スカイウェーブがほんの少し劣り、前との差は広がります。

500→1000m
フォルツァ14秒991 スカブ15秒545 マジェ15秒762 
フォルツァはまだ他を圧倒し、最後まで後続との差を広げていきます。
マジェスティは勢いがとまり、スカブが追いついてきますが、0発進からでは最初のリードを守りきりタイム的にはマジェスティの勝ち。
街乗りでのマジェスティ、高速道路での伸びのスカイウェーブという構図が良くわかります。

フタをあけてみれば加速も高速の伸びも他2車を引き離すのがフォルツァです。
某O誌の最高速データ(富士スピードウェイの1.5km弱のメインストレート)を参考にすると実測128.159km、メーター読みで140ちょっとまだ伸びしろはあったとのコメントはあります。
自分も色々と試したところ無風の平地でベタ伏せしてメーター読みで145km。
下り坂をレブ当てっぱなしで引っ張ってメーター読み152km。
これがフォルツァの最高速だと認識していますので、同カテゴリー内では速いとは思います。


ミッション操作に関しては、操作していて一番楽しいのがスカイウェーブのスロットルシフトだと思います。
ボタンでのシフトアップ・シフトダウンに加え、30キロ以上でブレーキを握りならがのアクセルのオン・オフでシフトダウンが可能となるシステム。
ブレーキ中にアクセルON?と思う方もいるでしょうけど、ミッション車でブリッピングするような動作になるので、とても自然な操作感で一番使いやすいです。
慣れてない人は先にブレーキをかけてからアクセルを戻せばいいので、どちらにしても使いやすいです。

マジェスティはシフトダウンのみボタンで操作が可能と割り切ったつくりです。
ボタンが大きく使いやすい位置に配置されており、走りの面では理にかなっているシステムだと思います。

フォルツァはすべてボタン操作。
ボタンの配置が悪いのでスポーツランにはあまり適していない印象もありますが、慣れればそれなりには使いこなせます。


走行性能
・高速道路
スカイウェーブは高速道路が得意ステージです。
速度の伸びや追い越しの再加速力が問われるわけですから、上のパワーと伸びのいいスカイウェーブが一番ストレスなく走れます。 ただし擬似ミッションのあるタイプMを前提に語ってますので、防風性能はみたまま悪いと思われます。

一方フォルツァも自動変速モードに入れておけばアクセル開度にあわせて的確に回転数を合わせてくれるので追い越し加速はかなり楽にできます。
そしてパワーでスカイウェーブには劣るものの、静かで振動も少なく、快適性は高いです。
あと防風性能が意外と高い。ずんぐりむっくりのデザインもここでは役に立ちます。

一方でマジェスティはAS2モードに入れておけばアクセルを大きく開けたときにキックダウンするので楽に再加速することはできるのですが、そもそも上の回転の伸びはそれほど良くなかったり、振動とエンジン音が大きいので上記2台にくらべるとハードルが上がる印象。
正直一番不向きだと思います。


ワインディング・コーナリング
コーナリング性能となると、フォルツァはマジェスティより若干バンク角が深く取れるものの、前後サスがやわらかく寝かしこみの軽さ、カッチリ感、バンク中の安定感もマジェスティには劣ります。
ただ、どちらの二台もワインディングの適正では国内250ccスクータートップクラスかと思います。

スカイウェーブは使えるバンク角が浅すぎてコーナリングは苦手。ワインディングでは苦労させられます。

・バンク角          フォルツァ ≧ マジェスティ > スカイウェーブ
・寝かしこみの軽さ     マジェスティ > フォルツァ > スカイウェーブ
・サスペンション性能    マジェスティ > スカイウェーブ >フォルツァ
自分のイメージはこんな感じです。

・街乗り
街乗りで重要なのが、足つき、取り回し、低速での扱いやすさ、加速、振動、車幅、積載力だと思います。
となると、正直苦しいのがスカイウェーブ。
大きい・重い・発進加速が鈍い点で大きなマイナスポイント。

マジェスティは観音開きのシートと、操作が一番簡易なキーレスエントリーなどが非常に有効的な要素となってきます。

フォルツァの強みはS7モードでの低速バランスの取りやすさ、それによるすり抜けのしやすさ。
低速でも駆動力がかかるのでUターンも一気にバンクしてコンパクトに回れます。
左コンソールボックスもコンビニでの買い物程度であればポンと放り込めるのは便利です。(例:お弁当と500mlのペットボトルとおやつ等)

正直マジェスティとフォルツァでは何を優先順位に持ってくるかにはなりますが、個人的には
   フォルツァ > マジェスティ > スカイウェーブ ですね。


・取りまわし
フォルツァのほうが車重は10kgほど重たいですが、マジェスティとフォルツァはほぼ互角な印象。
スカイウェーブはさすがに重いですし、車体も大きいので不便も多いです。
おまけにセンタースタンドも重い・・・。


・ユーティリティ
どのモデルも標準モデルならキーレスエントリーを採用しています。
使い勝手はボタン式のマジェスティが個人的に好印象。
サイドスタンドでのエンジン停止後のイグニッションオフし忘れ防止のアラームなど細かい気配りも嬉しい機能です。
スカイウェーブはバイクから一定の距離を離れるとエンジンの自動OFF、シートやコンソールをロックする機能があり、ライバル達より一歩先をいく内容です。ただし個人的に見た目が地味すぎるかと・・・。
フォルツァの受信可能を知らせるノブの青色LEDの演出もいいと思いますが、普段乗ってると気にもしなくなるのが正直な感想かもしれません。

メットインに関してはスカイウェーブが底の深い長方形でとても便利。
マジェスティの観音開きシートもアイデア物ですが真ん中がフォルツァ以上に浅いのは惜しいところ。
フォルツァのメットインはシートの開く角度が少し浅く感じるのと、マジェスティと同じく真ん中が浅いのが欠点。
タンデムシートは取り外し可能ですが正直手間。
といっても小物を奥に放り込まない限りは手前からでもそれほど不便でもないです。
あとメットイン後部はフルフェイスの形状により入れにくいものも多いです。

見逃してはいけないことは、シートが半分開くのか、全部開くのか。
半分だけ開くのであればタンデムシートに荷物をくくっても、メットインへのアクセスが可能ということです。
長距離ツーリングにおいて荷物をタンデムシートに固定される方などにはマジェスティ、フォルツァが便利ですね。


フロントコンソールボックスはスカイウェーブは3つ。
上部に小さめが2つ(左はグローブくらいは入る。)、センターに大きいのが1つですが、中央はフレームが通っているので、実質は二つのボックスに1つのフタ。(左は浅い)中央にDCソケットがあります。

マジェスティは左右に2つ。おまけ程度の小物入れがセンターに1つ。
容量的にはフォルツァやスカイウェーブに少し劣りますが、ボタンを押すとダンパー内臓のフタが「シュイー」と音を立てながらゆっくり下がる様はさすがのヤマハ。
これだけでマジェの勝ちなんて言いたいくらい無駄に好きです(汗)
センターの小物入れは薄いものしか入りません。厚み2〜3cmといったところです。

フォルツァの左コンソールはボタンを押したら飛び出す引き出し式。コインケースもあります。
右は手動の引き出し式。
開けた際に中の物が転がり落ちないので、本来はダメでしょうけど走りながらでも使えて、とても便利です。

DCソケットのある点ではスカイウェーブが便利だと思うのですが、高級感のあるマジェ、走りながら使えるフォルツァ等、それぞれに個性があるので、ここはイーブンかな?と個人的には思います。


ヘルメットホルダーに関して。
スカイウェーブはメットのDリングがひっかけにくい位置にあります。
マジェスティにはそもそもホルダー自体ありません。。。
フォルツァの後期型はホンダ定番ワイヤー式でめんどくさいです。前期型のはとても便利です。

総評
結局のところ走りの面以外ではどれも大きな差というものは見出せないように個人的には思います。
かといって、スクーターを選ぶ人が走りの面をどれだけ重視するかと考えると、最終的にはどれも似たり寄ったりな気も・・・・。
結局そのバイクで何をしたいかで選んで問題ないですし、少しでも速いスクーターがいいのであればフォルツァで決まりだと思います。

・収納なら スカイウェーブ
・長物の収納・タンデムシートに荷物をくくるなら マジェスティ、フォルツァ
・高級感なら マジェスティ
・デザインなら スカイウェーブ、マジェスティ
・低振動・静寂性・走りなら フォルツァ

補足として・・・
250クラスでもABSが欲しい方はフォルツァしか選べません。



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