●フォルツァの紹介(MF10後期型について)、どのようなバイクなのか
●インプレッション
●MF10前期型からの変更点
●フォルツァの歴史
●ライバル比較
●どうなのフォルツァ?
●トラブル
●購入動機
●主要諸元
FORZAの歴史?
2001年 初代フォルツァ(MF06)
コンセプトはスタイリッシュスポーツスクーター
RVFを彷彿とさせるフロントマスクに、リアはCBR400RR調、スポーツカーのようなメーター周りでとてもスポーテイーな初代フォルツァ。
現在もこのルックスを支持する人は多いです。
フォーサイトのエンジンを最適化し、駆動系の見直し、足回りのサイズアップ、コンビブレーキの採用など、重く大きくはなりましたが、当時では完成度の高いモデルでした。
しかし・・・、メットインは左からしかアクセスできない横開きで、底が浅く(33リッター)、フルフェイスは1つしか収納できないなど、ライバルとなるマジェスティに比べ使い勝手は悪く、ビッグスクーター=マジェスティそんな世間認識を変えるほどには至りませんでした。
ABS、アイドリングストップ、アクセサリーソケットなどを装備する 「S」
車体と同色のパニアケースを装備した「T」
Sの仕様にパニアケースを装備した 「ST」
後にはショートスクリーンやバーハンドル、タンデムバックレストなどを装備したtype X
など時代背景にあわせて豊富なバリエーションが存在します。
2001年
ビッグスクーターなぞ、おじさんとお坊さんのバイクといった感じで、自分はまったく興味のないジャンルであったことは確かです。
ただ、「スクーターにしてはカッコいいかな」といったくらいの印象は持ってました。
しかしバイクは"ミッション車で跨って乗るもの"。スクーターはスクーターという別な乗り物。乗って楽しむのではなく、単純に移動手段だと当時の自分はこのような考えでいました。

2002年大阪でのホンダの試乗会
試乗ラインナップには入っていたのですが、乗ることすらなかったです。(写真は自分でなくてたにし君)
2002年辺りからトラッカーブームが終焉し、スクーターブーム到来。
若者がビッグスクーターに乗ることに対して、見栄を張らなくても便利なものは便利だと使える等身大の姿勢に良い印象を持っていたのですが、そのうちカスタムパーツも豊富になり、若者のビッグスクーター=メッキパーツ+爆音マフラー+ローダウンが定番となり、「迷惑撒き散らすのはトラッカーと結局は一緒じゃん・・・」と嘆くのでした。
言っときますが、このときは自分も若者ですよ(汗)
2002年
CBR600F4i購入に伴い、大きなバイク1台では不便を感じて約5年ぶりに原スクライダーへ復帰。
非力な50ながらも昔を思い出し、原付ツーリングにもハマってしまいます。
遅い、曲がらないは、逆に楽しさにもなりますので、普段の足としつつもセンタースタンドを消耗品のように乗っていたのです。
2004年 2代目フォルツァ(MF08)
コンセプトはカンファタブル・スタイリッシュ・2シーター
スクーターブーム最盛期、販売台数でマジェスティを上回りトップシェアを獲得したフォルツァ。
まず驚いたのが、これまでスカイウェーブ650にしか装備されていなかった擬似ミッションを、フォルツァ”Z"では250ccクラスで採用(6速)。スクーターのネガを解消する夢のような装備でした。(D/S/MTモードの3つ)
(ちなみに擬似ミッションを廃し従来通りウェイトローラーでの変速のフォルツァXもラインナップされてます。)
そして、フルフェイスも2個収納できるようになり、キーレスエントリーのスマートカードキーも採用されます。
オプションのスピーカーを装着するスペースまで用意されているなど、装備面で他を圧倒。
タンデムバックレスト、ショートスクリーン、パイプハンドルなどは最初から若者をターゲットとした作りとなっていました。

オンボロのDioを少しでも走るようにとプチ原付小僧化している自分、その年の試乗会ではフォルツァのことが非常に気になっていました。
で、実際に乗ってみてバンク角の深さに驚くのです。
旋回性は車体の構造的に悪いのかもしれません。しかし寝かせられるというのは”曲がらない”ではないという現実を知ります。そしてコーナーでも回転数を制御できればトラクションがかけられるので寝かせても怖くなかったのです。
ビッグスクーター=”もっさり”、そんなイメージを覆し「これならワインディングも楽しい!」と、ビッグスクーターに興味が沸いたのがこのモデルです。
しかしながらスクーターブームは加熱する一方。
見てるだけで人を不愉快にさせてしまうようなビッグスクーターが街中を走り、それが彼らのアイデンティティとなります。
マナーも非常に悪く、信号待ちでは空吹かしを、半キャップを首にぶら下げているだけで走ります。
ラッコ乗りというのも流行りましたね。
四肢を広げて体を大きく見せるというのは、やはり動物の本能というものなのでしょうか・・・
2006年 (MF08 2型)
2006年のモデルチェンジでMF08は後期型になります。
ベッドライトやスクリーンの形状を変更し、MF06を意識したテールライト等で、全体のイメージは大きく変えずに、前期型のぼってり感をなくしてシャープな印象になります。
Sマチックの7段速化、オートシフトモード(Aモード)、キックダウン機構追加など機能面での改良も受けました。(D/S/A/MTモードの4つ)

2006年大阪での試乗会。前が遅すぎてがっかりした記憶はありますが、前期型とそれほど変わった印象は受けませんでした。
ただ見た目は圧倒的にこちらが自分好みです。
スクーターブームは継続中、通勤・通学の時間帯は爆音の嵐です。
定番のローダウン、フロントフェイス、メッキパーツ、爆音マフラーに加え、アンプ・スピーカーを装着し、LED装飾されたスクーターも見かけるようになります。
夜間は移動ナイトクラブ状態・・・。
一般人から見ればそれはとても理解し難いもので、冷たい目線を送りつつ、”イカ釣り漁船”だの、”エレクトリカルパレード”だのそんな比喩がされるほど、ビッグスクーター=迷惑を振り撒く新手の暴走族といった認識になってきます。
リッターバイクよりも大きい車格と、ユーザー層も相まって、止め方はグッチャグチャ、止める場所も他人のことなど一切考えまず、街中は無法地帯化、歩道を占拠するビッグスクーターはたびたびメディアでも取り上げられるようになります。
2006年6月、駐車禁止取締りの民営委託が開始。
これまで警察が見てみぬ振りをしていた歩道の駐車車両の取り締まりも法で厳格化され、無慈悲とも言える取締りがされるようになりました。
繁華街や駅前の歩道は綺麗になりましたが、取締りを受ける対象は場所を取らない原付といえど同じ。シティーコミューターとして市民の足となっていたバイクは行き場所を失います。
”歩道に停めては切符を切られる、しかし駅前や繁華街にバイクの駐輪場がそもそも存在しない&足りない”こんな新たな問題が生まれるのです。
このことはバイクの販売台数にも多きな影響を与えました。
2008年 3代目フォルツァ (MF10)
2007年12月フルモデルチェンジ(形式番号 MF08→MF10へ)
コンセプトはプレミアム・カンファタブル・ツーシーター
スクーターブームの終焉、やんちゃな若者を意識していたMF08からガラっとスタイルを一新させ、ターゲットの年齢層を上げてきた印象のMF10。
排気ガス規制に合わせてエンジンは新型となり4バルブ化。ピークパワーは先代MF08と変わらない22馬力ながらも、中速トルクの厚みが増し、実用域での速さに磨きがかかります。
擬似ミッションSマチックはSマチックEvoへ進化。
負荷判別制御が追加され、これまでアクセル開度と速度センサーで判断していたキックダウンは、坂道ではアクセルが一定のままでも自動でキックダウンを行い、タンデムなどでは回転数を高めた変速をするように進化します。
リアホイールも13インチ化。これで前後13インチとなり、5本スポークとも相まって見栄えもよくなりました。
しかしMF08に比べてZ比で10kg以上ほど重くなり、車両重量はついに200キロオーバーとなってしまいます。(Zで201kg)
オーディオがオプション扱いでなく標準装備のグレードとして販売されているのもMF10の特徴。
オプションのオーディオとは違いヘルメット形状に合わせ音を聞こえやすくするヘルメットイコライザーや、速度に応じてボリュームを上げていくオートボリュームコントロールなど、標準装備ならではの機能が追加されています。
そのためラインナップはすごく複雑です・・・
フォルツァX
フォルツァX・オーディオパッケージ
フォルツァX・ABS
フォルツァX・ABS・オーディオパッケージ
フォルツァZ
フォルツァZ・オーディオパッケージ
フォルツァZ・ABS
フォルツァZ・ABS・オーディオパッケージ
計8種類。
他にも限定カラーが加わるのでその中でも「フォルツァZ・ABS・スペシャルエディション スタイルS・オーディオパッケージ」などといった呪文のように長い名前も存在するわけです。

2008年3月・大阪モーターサイクルショー
やはりスクーターが気になる自分は、試乗ラインナップに外車・大型SSなど数ある中でフォルツァZに試乗していました。
その後ホンダドリームの店頭試乗にも行きます。
すごく気になっているモデルではあるのですが、正直なところ購入を本気で考えていたわけではありません。フォーサイトEXが税抜き45万で売られていたことから、どちらかというと250ccに70万なんて払うのは馬鹿馬鹿しいと思っていたかもしれません。
ただ興味は増すばかりです。
初代、2代目と見た目からして重そうなホイールとは違い、細いスポーティーな5本スポーク、でリアホイール13インチ化、自然と足回りに目がいきます。
エッジの尖ったデザインで、センタートンネル部分にもカウルで覆われるようになり流れるラインができました。
カッコイイかは置いといて、好みなパーツ配置です。
いや、かっこよくはないんだけど、個々のパーツを見ていくと好みなデザインなパーツが多かったんです。
乗った印象はMF08に比べてサスにコシがなくなったのと、バンク角が少し減ったような気がしました。
これにはちょっとがっかりしたのですが、振動の少ないエンジンと路面から突き上げの少なさには感動します。
MF10(2型)
今回のモデルチェンジで外観のマイナーチェンジとS7モードが追加。
擬似ミッションなしのXはラインナップから外れました。
前期型で残念だった、頭でっかち、まんまるおめめは変わらずですが、鼻が高くなって少し顔が尖ったイメージになり、自分としてはだいぶマシになったと思いました。
そうは言ってもカッコイイではないんですけどね。
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