●フォルツァの紹介(MF10後期型について)、どのようなバイクなのか
●インプレッション
●MF10前期型からの変更点
●フォルツァの歴史
●ライバル比較
●どうなのフォルツァ?
●トラブル
●購入動機
●主要諸元
インプレ
・ポジション
【ステップボード】
ステップ自体はシートが低いため少し高くは感じます。(710mmは一般的な原付2種よりも低め)
しかし足を前に投げ出し傾斜部分に足裏を乗せる、いわゆるスクーターポジションで乗る場合、フロアステップとの距離は近すぎず、遠く過ぎず、膝の曲がり角は浅いものになるのでとても楽チンです。
楽すぎてオットマンが欲しくなるくらいソファー感覚で乗れます。
シートのわきに膝裏を当て、ボディをヒールグリップをするスポーツポジションの場合、シート前部・側部の形状とフロアステップの高さが非常に良く考えて作られていると関心します。

スクーターでは希薄なフロントタイヤの接地感も、このポジションを取っていればとてもわかりやすいですし、なによりバイクとの一体感が、従来の跨って乗るバイクに近くなるので、タンクでニーグリップができなくてもマシンをホールドすることができ、コーナリング中のギャップなどで、バイクと一緒になって体が揺すぶられることもなく、いなすことが可能になりますので、プアなリアサスのフォルツァでは非常に有効的な姿勢になります。

これはおまけ程度に考えてもらうといいですが、腰をオフセットするためのステップワークもしやすい高さでもあります。
ただ、バックレストが大きすぎるため、縁の部分に肛門を浣腸されてしまうことを考えると、設計者もそういう意味合いでは設計してないとは思えます・・・。(汗)
それで、あらためて思うことは、ビッグスクーターとなると、足の置き場の自由度が原付スクーターに比べて格段に高くなるので、まったり巡行からスポーティーまで対応の幅がかなり広がり、気分に合わせて、シーンに合わせて楽しく乗れる方法を選ぶことができるんですね。
正直な話、所有するまで足を前に投げ出してだら〜んと乗るものだと思ってました。
【シート】
シート高710mmの低シートは巾があるため数値の割りには足つきはよくないですが、それを踏まえたうえでも足つき性の良いバイクであることは確かです。
前後にも左右にも広いフラット座面は、長距離・長時間の快適性を重視した設計であり、お尻の痛みとは無縁なほど。
しかしシート上でアクティブに加重移動を行うとなるとバックレストがそれを阻みますので、ワインディングでそこそこペースを上げると臀部への負荷が軽減されていくという、一般的なバイクの考えはスクーターには適用されないことが実感できます。
シート前部のふくらみは、ふくらはぎや膝裏で車体をホールドすることに使えます。
この辺りは考慮されての形状だとは思います。
大型バックレストはまったり巡航にはありがたい装備。
腰を預けてしまうことで、乗車姿勢が直立してしまうスクーターでの欠点、路面の衝撃がそのまま腰へ伝わり、長時間の走行していると腰に違和感や痛みがでるのを緩和してくれます。
既に腰痛がある方でもバックレストに腰を預けることで、腰が楽になるのを実感できるのではないでしょうか。
しかし、大きすぎて邪魔なシーンもあります。
先ほどステップのところでも述べましたが腰をオフセットすると浣腸されること。ベタ伏せしようにも腰を後ろへずらすことができないことなどです。
といってもバイクに座るのか、挙動に対してバイクをホールドするのかを考えたとき、スクーターのニーズでは正解と言うつもりはまったくありませんが、ホールドなどは無視して、安楽であるこを見た目からもアピールできたほうがいいのでしょうね。
骨盤が左右と後ろに制限がある以外は自由なポジションがとれるので、足の置き場とも組み合わせて状況に応じた姿勢を選んで乗れるのが多きなメリットです。
【ハンドル】
高めで、前後にはほどよい距離、ビッグスクーターとしてはごく自然な位地にあると思います。

ハンドルの切れ角が大きめなのでフルロックをすると外側のグリップが遠く感じてしまうことはありますが、違和感程度で操作に大きな問題はなく、楽に乗るには最適な位置だと思います。
ハンドルが高めのおかげでシートが低い割には視野も広いです。
【ポジション総括】
やはり自分としてはステップボードの位置が高評価です。
スクーターをオールラウンダー的に使えるのは、足の位置をSS寄りにもクルーザー寄りにも自在に選べるおかげなのだと気づかされましたし、前が低く後ろが高めなフォルツァのステップボードはそれが可能になってます。

ただ基本は上体を直立または軽く後傾させて乗る姿勢を重視した設計がされているとは感じますので、
車体なりに乗ってしまうと、知らない間に崩れた姿勢をとってしまっていることも多いです。
まぁ自分が足短だからという要因も大きいとは思いますが、例えば、楽に座りたいがためバックレストへ寄りかかり、膝裏の圧迫を楽にしたいがため足を前の高い位置に置き、股を開き気味にしているといった感じです。
スクーターブームのあった頃、ラッコ乗りなるものが流行ましたが、あそこまで大げさではないにしろ、似た傾向の姿勢だと、案外本人は楽に乗れるんだなって新たな発見があったりもしたのですが・・・、肘は伸びてしまうわ、アゴは浮いてしまっているわ、ギャップでは体が振られるわ、フロントの接地感はつかみづらいわで・・・安全ではないです。 はい。。。
上半身を使ってバイクを”操りたい”という人には気になる点も多いとは思います。
バックレストの大きさ、ハンドルの開き具合と高さなどですね。
まぁ個人的にはバックレストを小さく、ハンドルにもう少し絞りが欲しかったところですが、、こればっかりはニーズゆえの仕様なので、なんとも言いがたい部分がありますね。
・エンジン
【パワー】
250ccの単気筒にパワーを求めるのは酷だとはわかりつつも、街乗り以外では非力さを感じてしまうことが多いです。
高速では全開固定になるシーンが多いですし、、郊外では追い越しに助走が必要という感じです。
まぁ22馬力というとTWやFTRなどのトラッカーに毛の生えた程度の馬力。クラッチ操作ができてチェーン駆動であっても不満なく走るようなイメージはないですからね。
ただ、CVTであるため1万回転も回らないエンジンなのに最高速は以外と伸ばせます。
【出力特性】
250スクーターは125ccのカッ飛びスクーターよりも出だしが遅い印象がありますが、Sモードで125と同等、Aモード、S7モードを使用するとアドレスV125相手ですら発進から前に出て、グイグイ引き離していきます。
最高速に関しては普通に乗っていれば135キロくらいだと思います。
120過ぎたあたりからの伸びが苦しく、最高速に達するまでそこから1キロくらいの直線が必要というのが個人的な感覚です。

完全に伏せると、平地で140キロちょっと、トンネル等の無風状態で145キロです。
下り勾配を利用するとDモードのレブリミッターが当たる9100回転で152キロまで行きます。
これらはすべてメーター読みなので実測はもう少し遅いですね。
色々と試してみましたが、速度を楽にのせていくには125キロまでS7モード、そこから130までSモード、130超えてからDモードに切り替えるのが一番スムーズな感じがします。
まぁS7で130まで引っ張って、そこからDに切り替えてもあまりかわらないとは思いますが。
ネットを検索してみると100キロ以上は接地感がなくなるだとか、ハンドルが振られるだとか色々とネガは書かれていますが、自分のフォルツァにそんな気配はなく、普通に100〜120キロは常用域として使える認識ではありますので高速を走るにあたって大きな問題はありません。
ただし上り勾配ではフルスロットルでも自然と速度が落ちて来ますので、あらかじめ前後の状況を確認しておく必要はありますね。
【エンジン音・排気音・振動等】
250cc単気筒というと振動や排気音が大きく、アフターファイヤーがパンパンいいそうなイメージがあるのですが、ノーマルでいるかぎりはかなり静で振動も少ないエンジンです。
Dモードに入れて50〜60キロくらいで巡行していると静寂が存在するのには驚くほど。
それは疲労感の軽減にも繋がるくらいです。
【SマチックEVO】
細かい使用や特性などはユーティリティに書いてます。
Dモード、Sモード、Aモード、S7モード、MTモードと5つの走行モードで燃費走行〜スポーツランまで幅広く対応。S7モードは出来がよすぎてMTモードが不要になるくらいだと思っています。
他車メーカー、色々と擬似ミッション搭載車はありますが、250で一番早く採用しているだけに、完成度が高く、このシステムありきのフォルツァだと思います。
【エンジン&駆動系総括】
250スクーターで走りの面ではフェイズが最強とはなってしまいますが、フェイズと同システムのS7モードを搭載した後期型MF10は、同車格のライバル達と比べて圧倒的に加速番長なうえ、ワインディングでも最速と隙がありません。
2バルブのMF08から4バルブ化されたMF10のパワーにおいて、正直大きな違いは感じることはないのですが、気持ちよくレブまで回る辺りは22psとは思えぬほどパワフルだと感じています。
といっても250単気筒ですので、頻繁に加減速が必要なシーンを走る場合、実用速度域は110キロくらいまでだと思っていてください。
80キロ辺りまでの加速はとてもスムーズなので、いくら曲がらない大柄なバイクとは言え、よほどタイトな峠でない限りは2種スクーターと同等か速く走れてしまうような気もしています。
エンジンとして見ると走りの面にばかりに目が行ってしまうものですが、振動が少なく、静寂性の高いエンジンは、退屈する巡行シーンを穏やかな時間へと変えてくれるほど。
総合的に見てかなり優等生なエンジン。というよりエンジンありきのフォルツァです。
・ブレーキ
【効力】
装備重量200キロオーバーの車体を、小径シングルディスク+ピンスライド3ポッドキャリパー(うち1ポットはコンビブレーキ用)が受け止めるのでは、絶対的な制動力不足なのは乗らずともわかるとは思います。
ただ、このバイクのパワーでは「知らぬ間に恐ろしい速度がでていた」などといったことは少なく、速度を伸ばすには加速し始めからの意識と覚悟が必要なのも事実。
実用的な速度での制動力であれば多少物足りなさがありつつも、それなりに効いていて大きな問題も感じることはないという感覚ではあります。
【コントロール】
CBR600F4iやZX-6Rの感覚でブレーキングをするとフロントタイヤをロックさせてしまうことも稀にあります。
ただこれはブレーキシステムのコントロール性が問題なのではなく、SSとの比較での制動性の弱さと、ロック寸前の限界域でのコントロールがシビアになる小径ホイールの特性や、簡単にフルボトムしてしまうフロントフォークの問題だとは思います。
さらにいうならWディスクに比べて初期に強めの握りこみが必要なシングルディスクの特性もあるので、コントロール性は口が裂けても良いとは言えませんが、逆に悪いというほどのものでもありませんので、問題はないといってもいいと思います。
コーナー侵入でのフロントブレーキを残しながらのリーンなども、普通のバイクのようにごく自然に何の問題なく行えます。
個人的な話にはなりますが、自分は指が短いため調整できないブレーキレバーが不便で仕方ないです。カスタムで改善できるのですが、ブレーキレバーに8,000円とかはかけたくないので純正流用も検討中です。
【コンビブレーキ】
Uターンなどのごく低速時に邪魔することがないのは関心します。
またリアブレーキを引きずりながらの旋回でもフロントの切れ込みが少ないなど、前後バランス配分等、システムとしてはかなり優秀だとは思ってます。
が、切り込みが少ないとはいえ、無いわけではないので、バンク中に意図的に使うとなるとはやり邪魔だと思うことは個人的に多く、賛否の分かれるシステムなのではないでしょうか。
・コーナリング特性
寝かしこみ動作がもっさりしてしまうのは車体ディメンションとサスペンションの味付けだとは思いますので、機敏というのは無理にしても、重いバイクのように「よっこいしょ」といった加重の入力は必要ありません。見た目から想像するものよりはすごく軽やかだとは思います。
バンクは”そこそこ”に深いです。
ガンガンに峠を攻める方でなけば問題のない範囲だと自分は思っています。
センタースタンドが擦りやすいのは確かなんですが、これは後でも述べるサスペンションが大きな原因です。
それでもスポーツ走行に慣れた方が、コーナーの侵入でフロントブレーキの入力をわずかに残したまま寝かしこんでいったり、リアブレーキで速度と旋回半径を調整するような走りをしてしまうと車体の沈み込みが大きくなり、スタンドがひかかって転倒しかねないので、そういった走りはなるべく控えたほうがいいと思います。
スクーターなのでフロントの接地感は普通のバイクに比べれば希薄ですが、Fサスのストローク操作をFブレーキでコントロールようとしなくても、進入の勢いだけでフロンとは沈み込んではくれていますので、案外適当な進入に対しても1次旋回時には過重が抜けるということが少ないです。
グランドアクシスとよく似たコーナリング特性が出るので、キャスターの寝ているバイクの特性なのか、正直なところはよくわかっていませんが、バンクしている時間が長くなるヘアピンのようなコーナーは、後半になるほど旋回が厳しいのと(アンダーステア)、フロントの接地感がだんだんと希薄になっていき、かなり曲がり辛くなる印象があります。
・サスペンション
ソフトな味付けのサスペンションは市街地を交通の流れより少し速いくらいのペースで流す分には非常に快適で、接地感もつかみやすい味付けになっていると思います。
フロント110mm、リア105mmとスクーターとしては比較的長いストロークで、軽く波打っている程度の凹凸であればCCリンクもあいまって”ふわぁ〜〜”といなしてくれる感覚は、バイクではなく手漕ぎボートにでも乗っているかのような感覚です。(ストロークの目安としてロードスポーツでフロント120mm前後)
しかし減衰力の弱いダンパーは、舗装の継ぎ目、踏み切りなど、目に見えるくらいの段差になるとまったく対応できず、一気に沈み込んだサスが反動で強く跳ねがあり、スクーターのライディングポジションとあいまって腰に強い衝撃が加わります・・・。
グランドアクシスの悪夢再びですね・・・。まぁGアクみたいに2段ジャンプするほどではありませんが、峠となる常にリアサスが落ち着かなくなるので、断続的に腰にゴンゴンゴンゴンって・・・。
ま〜ったく役に立ってませんね、このサス。
後期型からリアのイニシャル調整は省かれてますし、なんでこんな設計にしたんでしょうか?
ライテクのラの字もないような、ど下手っぴぃの、街中でしかバイクに乗らないくせ、バイクを知ってるかのように声だけ大きい勘違いおっさんどもの要求に応えたんですか?
それとも自分を客観視できないオラオラだけな恥知らずな若者からの要求ですか・・?
サスを社外品に変えようと思ったら、ローダウンサスばかり。唯一あるのが約10万のオーリンズという現状・・・。
スクーター文化は腐ってるんじゃねぇの・・・?
・走行性能
もうすでに述べてしまった感はありますが、遅い、重い、寝ない、曲がらないといったビッグスクーターにつき物の言葉は正直あまり感じていません。
たしかにMF10になってMF08よりはバンク角が浅くなり、サスもやわらかくなった印象を個人的にはもっていますが、それでも遅くてどうにもならないといった印象ではないです。
といっても普通のミッション車で峠を好む人と同じペースでツーリングをするというのは到底無理な話。
峠を攻めないとしても、車の追い越しを追いついた時点で間髪入れずにするような人について行くのもかなり苦手な範囲。
よく走るといっても、そこは22馬力のバイクとして認識する必要があります。
一度出した速度をあまり落とさず走るのであればいいとは思いますが、加減速が激しい走りとなるとお手上げだとは思ってください。
高速道路のことは先にも色々述べましたので補足程度に。
250単気筒としてならよく走るとは感じますが、インターチェンジからの加速レーンで、前に遅い車がいた場合、こちらは走行レーンに入ってから加速できるほどのパワーはありませので、少し大きめに車間をとり、助走のつけられる空間は確保しておいたほうがいいです。
走行車線から追い越し車線への車線変更も同じ感覚です。
キックダウンが使えるモード(A、S7)に入れて、1〜2秒前もって全開にし助走をつけます。
これなら車線変更直後から流れに乗ることが可能です。
大型バイクと高速ツーリングは車線変更で遅れが生じてしまうことが多いのでサービスエリアで待ち合わせ等、あらかじめバラけてしまうことを前提に計画を立てたほうがいいと思います。
得意ステージは信号が少なく、流れの速いバイパスなどです。
125ほどエンジン回転が上がらず、追い越し加速もスムーズ、オーバーパスでも失速しないです。
本当に椅子として使用しているようなゆったり感覚で走ることができます。
峠もガンガン回せばよく走りますが、、足回りの想定が町乗り用なのでかなりアンバランスです。
従来のCVTのスクーターの駆動系をカスタムし、台形のような理想のパワー曲線がセッティングをだせればフォルツァより速く走るとは思いますが、街乗りがせわしくなったり、音と振動で疲れたり、燃費がガタ落ちになったりと、最終的にはSマチックEvoほど完成されたシステムはないと思います。
・使い勝手
【日帰りツーリング】
楽なポジション、大きなシートで疲労感が一般的なバイクとは全然違います。
走行シーン、気候条件にも大きく左右はされますが、一般的に下道メインで心地よく疲れるくらいのツーリングが、跨いで乗るバイクの場合300〜350キロ辺りだとすると、フォルツァでは400〜450キロくらいで同等の疲れになります。
遅いバイクではありますが、延々とマッタリ走行しなければいけないと言うわけでもなく、走りもそこそこに楽しめますし、目的地の散策で疲れたとしても、走りながら休憩できるバイクです。
さらにお土産まで気軽にOKだなんて
もう最強です。
ソロならね・・・。
上手い人と走りにいくとバイクの遅さも相まって、どうにもこうにもお手上げです。
他のメンバーの分のお土産運搬係になるしかないです。
【泊りツーリング】
泊まる宿がある場合の荷物程度であればメットインだけで全然問題ないです。
シートの上に荷物がないので降りる際の荷物に対しての”後ろ回し蹴り”をしてしまわなくて済みますし、乗る際の”喧嘩キック”の必要もなく、とても快適です。
ただメットイン形状と旅行の荷物を入れるバッグとの相性はありますので注意が必要ですけどね。
キャンプツーリングとなると着替えと調理道具がメットインには入りません。

スマートなスタイルを追求する場合はリアBOXを装着する必要がありますし、お土産スペースも考える必要がありますね。
いくらフォルツァのメットインが63リッターあっても、大容量のツーリングバッグには形状などを含め全然敵いませんから、そこには注意が必要です。
夜の峠が全然困らないほどにライトが明るいのもツーリングに向く要点の1つだと思います。
ただバッテリーを上げてしまうと押しがけすることができず立ち往生になるのは、スクーターの欠点となります。
【タンデムツーリング】

ビッグスクーターとしては標準的かもしれませんが、一般的なバイクに比べてタンデムシートが低いので身長の低い女性でも楽に乗り降りができます。
ライダーもタンデマー乗降時にふらつきにくいのと、足つきがいいのでしっかりバイクを支えていられるので不安感がありません。

タンデムシートの座面は大きいですが、車体幅が大きいので股が広がりすぎて辛いといった声はよく聞かれます。(長時間だと筋肉痛みたいになるとか)
お尻は痛くなりにくいみたいですけどね。
エンジンが非力であるため、巡行時にならいいのですが、ワインディングや街乗りの発進でうかつにDモードを使用するとフラつくレベルではあります。
ただ、適切に駆動力さえかかっていれば、タンデムになったからといって極端におかしな挙動はでてませんので、どの速度域でも駆動力のかけやすいSモード、S7モードが推奨ですね。
コシのないリアサスで後ろが下がりになり、フロントの接地感はけっこう希薄にはなりますが、サスが硬いSSであろうが、メタボなおっさんを後ろに乗せてしまってはそれは同じなので、タンデムシートは若くて小柄な女性専用と言い張っておきましょう(笑)
軽い人ならフォルツァでもほぼ違和感なく走れます。でもやっぱり発進やすり抜けではフラつきやすくはなりますけどね。
【ワインディング】
S7モードがあるのでビッグスクーターとは思えぬ速さで走れますが、サスが貧弱すぎて暴れまくります。

しかしまぁ正直、ワインディングで車の流れについていくのがやっとというレベルであれば、バイクよりも自分自身の腕を疑ったほうがいいとは思います・・・。
普通のライダーならフォルツァでも十分に速いペースで走れることは保障しますね。
【高速】
ネットに挙げる以上は100キロまでが大前提で話をしなければならないと理解はしていますが、現実的な話、追い越し車線は120〜130キロで流れてますので、そのことを踏まえて書かせてもらうと、追い越し車線を走っているときはS7モードでほぼ全開固定になります。

追い越し車線をずっと走っているのも違反と理解したうえで、あえて書くとすると、エンジン回転数は常に高いとろこを維持、常に回しきるまでひっぱっているような状況での走行になりますので、エンジンが壊れてしまわないか不安にすらなるほどひたすら全開固定です。
まぁ壊れないにしても寿命を縮めるのは確かでしょう。
登坂力に関して、S7モード全開のままで100キロを切るシーンはまずないと思いますが、失速していって110キロくらいまで落ちるシーンは頻繁にありますので、後ろの車両に対しては気を使う必要はあります。
やはり22馬力程度では高速道路を走ると非力すぎて辛いというのが現実でしょうか。
あと120キロ以上だすとハンドルがフラつくとか、暴れるとか、フロントの接地感が全然なくなるとか、そういった話をネット上でよく見かけますが、まぁまず大丈夫です。まったく問題ないと思います。
たぶんそういう人は300キロ出せるGSX-1300R 隼に乗っても200キロくらいで同じようなコメントをするような気がするんですよねぇ。
とまぁ、こんなふうに思ってしまうくらい、何も問題がでません。
アグレッシブを意識せず、カーブでアクセルを緩めたりする普通の乗り方では実用域が120キロくらいまでだと考えてください。
速度を伸ばすには”我慢”と”気合”と”ベタ伏せ”が必要です。
そうそう高速ではオーディオパッケージの真骨頂。
信号待ちがないので音楽をかけていても恥ずかしくないです(笑)
ただ快適に音楽やラジオが聞けるのは100キロくらいまでですね。いくらエンジンが静かだろうが、メットの風切り音の問題がでますので。
【街乗り】
すり抜けに対して「PCXより1cm大きいだけ」なんて書きましたが、タイヤ巾が広い分、路肩のギャップは拾いやすいですし、そもそもPCXがあまり細くないというオチもあったりしますよね(汗)
ただ、街中で見るすり抜けできず前を塞いでしまうビッグスクーターのイメージが先行してしまうと、「そこまでひどくね〜よ。最終的には車体幅とライディング技術の問題だよ。」と言いたくなったのでつい・・・。
自分の感想では、やはりCBR600F4iやZX-6Rより幅があるのと半クラッチが使えない分、すり抜けが困難です。
ハンドル幅を狭くしても、タンデムステップが大きく張り出しているので車幅を狭くできません。
渋滞路ではバイクのメリットを殺してしまうシーンも多いかとは思います。
ただポジションが楽ですし、足つきがいいので、頻繁におこなう停止がすごい楽なのと、上体が起きてるので左右への安全確認がすごくしやすかったりします。
オートマチックであるメリットは・・・
半クラでトロトロ前に進むといったシーンがバイクではあまり無いだけに、マニュアルミッションに不便を感じておらず、オートマチックの恩恵はほとんど感じていなかったりもします。
【お買い物】
メットインに入るのはスーパーのお買い物袋2つくらいだと思います。
3つになるとそのままでは入らないことのほうが多く、袋からだしてバラバラにした状態で隙間を見つけて押し込んでいくようなイメージにはなります。
アドレスなら難なく足元において走れるようなサイズのものが、メットインに入らないため片手で抱えて走るしかなく困ったことは何度かあります。
そうですね、自分の経験での具体的な話では、DVDレコーダーや郵便受けでしたね。
念のためにツーリングネットは入れてあるのですが、スポイラー部はフックがひかっけられる場所とひっかけられない場所があって上手く使えないことも多いです。
あと、最大の敵は駐輪場。
入れるのも出すのも困難になる店は利用できなくなりました。
案外向かないものですよ、お買い物には。
【通勤】
やはり幅が大きいです。
PCXより1cmしか変わらないとは書きましたが、PCXもハンドル幅が原付2種の中では広いモデルなため、通勤のライバル達(主に2種スクーター)に比べて圧倒的に条件が不利になってしまいます。
さらにフォルツァの場合、ハンドルを短目のものに交換してもタンデムステップの出っ張りがあるので、ハンドルorミラーがネコのひげの役割をしなくなってしまうのでお勧めできませんし、車体幅もノーマルより狭くし辛いです。
駐輪に関しては駐輪場事情によるため一概に言えませんが、自分がシティコミューターとして使って、一番困難なシーンに直面するのが駐輪です。
2灯式ヘッドライトは照射範囲が広く、街頭の少ない郊外や狭い路地でも安心して走ることができます。
燃費は街乗りでリッター30いかないくらい。
自分のアドレスV125がリッター32程度なので、燃料タンクが倍近くなる分、朝の急いでいるときに給油が必要となる回数は少なくできます。
タイヤ代 フロントで工賃込み10,000円いかないくらい。 リアで工賃込み12,000円いかないくらいです。
前後交換でも21,000円ほどという値段は、前後交換5万円オーバーな600ccに比べてとても安く感じますが、アドレス比ではほぼ倍。
ストップ&ゴーが多い街乗りではリアタイヤの減りが早くシティタイヤでも耐久性は6000キロくらいになると思います。
年間休日が100日で通勤距離片道12キロであれば年間で6,360キロ。通勤のみで使って約1年ごとの交換ですね。
それらを踏まえると大型、中型のミッションをメインとして、セカンドに2種スクーターがあれば有料道路や125以下禁止のバイパスが通勤路にない限り250スクーターは無駄な部分が大きいとは考えられます。
バイクはこれ1台でというのであれば、あらゆるジャンルの中でも一番使い勝手がいい可能性は高いです。
【取り回し】
押し引きは所有している2台の600ccに比べれば重くは感じますが、低重心のためフラつきにくいです。
最大のメリットはシートが低く足つきがいいので、跨ぎながら前後に動かしやすいこと。
これが可能なだけでずいぶんと取り回しが楽になりますし、倒してしまわないかという緊張からも開放されて気楽に取り回すことが可能です。
250cc以上のバイク選びにおいてスクーターを選ぶ人はこの点も重視されている方が多いのではないでしょうか。
・メンテナンス性
エアクリーナー、プーリーケースを開ける程度の作業でもシートカウルの着脱が必要になるのは愕然とします。
そのシートカウルを外すにはセンターカウルも外さなければいけませんので、作業は容易なのですが無駄に手間がかかります。
これはなにもプーリーケースに限った話ではなく、ことあるごとにツメでとめてあるカウルを着脱する必要がありメンテナンス性は非常に悪いと感じますし、ツメが割れてしまうリスクも高いです。
特に真冬の寒いときの作業ではツメが割れるのを覚悟しておいたほうがいいでしょう。(だからドライヤーで暖めてね)
バッテリーへのアクセスも見えにくいのと、奥まったところにネジがあるので正直面倒です。
プラグ交換はやはり例に漏れずカウルの着脱が必要。
エアクリーナーもセンターカウル、シートカウルと外すのです。
あと言うとすれば、タイヤのエア入れですかね、小径のホイールなので入れづらいんです。
・デザイン
正直歴代フォルツァの中でも一番かっこ悪いとは思います。(汗)
パーツ各部はそれぞれデザインが良く、個人的には好きなのですが、全てまとまるとずんぐりむっくりになってます。

たとえば
08の少し悪っぽいイメージのプロペラ3本スポークホイールから、スポーティーに見える5本スポーク。
リアホイールが13インチになって前後の均等化。
テールランプは初代フォルツァを彷彿とさせながらもさらにシャープでエッジの立ったデザイン。
スポイラーをテールユニットよりも少し短めにしてリア周りを主張しているなどですが、なぜかまとまるとかっこ悪い。
たぶん、フロントのボリュームとシートからリアにかけてのラインのシャープさとがアンバランスなのだと思います。
・総合
様々なシーンでフォルツァに乗る中で、このバイクの完成度の高さには関心させられていますし、これ1台で何とかなりそうな気がするバイクだと思います。
ただそこは”何とかなる”レベルの話。
様々なシーンで満足しているかと問われれば、自分の場合は不満ではなくとも満足に至らないのが正直な感想。
どんなに楽しい機能がついたところで、ビッグスクーターはビッグスクーターだと思い知らされるのです。
無論、乗る人や使用用途の相性で印象は大きく変わるとは思います。
フォルツァをソロで楽しむ場合には様々なネガを抱えつていたとしても、自分の場合は本来の購入動機である、”ゆっくり走る人とゆっくりツーリングする”といった状況下においてなら、狙い通りゆっくり走ることが苦にならず、ゆっくり走っていても疲れなくなりました。
そして使い分けすることにより、燃費、タイヤ代等、ランニングコストに優れるフォルツァは想像以上の結果を出し、自分のマスツーリングへの苦手意識も段々薄れてきていると思います。
250ccビッグスクーターというカテゴリーに絞ってフォルツァを見た場合、やはりこのクラスではトップクラスの性能を発揮します。
むしろこのクラスの枠を超えた走破性が、逆に楽しみの幅を広げてしまい、器用貧乏な一面を見せてしまっているような気がするのが正直なところ。
従来型の跨るバイクとビッグスクーターとでは、本来適応範囲がそれほど被らないとは思うのですが、このバイクはあらゆるところでかぶっているのです。
その要素がフォルツァの楽しめる範囲のもう少し先のおいしいところを望んでしまいそうになるのです。
なので、これからバイクの楽しみを広げていく若い世代にはできればスクーター以外に乗ってもらい、フォルツァの持つ世界の”先”を見て欲しいなどと思ってしまいます。
バイクという乗り物の中で、なぜにスクーターなのかを考えたとき、足が楽というのと、ギアチェンジがないという以外はあまり大きなメリットがないと自分は考えています。
収納を1番に言われてしまうことが多いのですが、どんなバイクでもリアに箱をつけてしまえばそれだけで30〜40リッターの収納容量は確保されてしまうのですから。
なのでこれはあまくまでギアチェンジが面倒くさかったり、跨ぐ動作に不安を覚える中高年以上のライダーにお勧めするバイクなのです。
やはりスクーターは走るというより移動する乗り物になると思います。
ただ、そんな”移動”を様々に演出できるのが、このフォルツァというバイクなのではないでしょうか。
購入を考えている方へ(敢えて挙げる主な欠点)
・サスの悪さからくる走派性の悪さ。
・整備性の悪さ(ビッグスクーターを選ぶ時点で目をつぶらなければならないかもしれません)
・Rタイヤのサイズ(店の在庫などを考えると…)
・シートの開く角度と形状
・着座位置が固定されるすぎるバックレスト
・他社と比較したときのデザイン性
・ロングスクリーン装着車のラインナップがない。
・イグニッションスイッチ切り忘れ防止機能のない中途半端なスマートキー
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質問、感想、誤り等があれば、
掲示板へお気軽にお書きください。
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